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MHPS、相馬市のバイオマス発電所で運転状態を監視制御するシステムを稼働開始

2018/08/22
(水)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、福島県相馬市にある微粉炭・バイオマス混焼火力発電所で、火力発電設備の運転状態を監視制御するシステムの稼働が始まったと発表した。

三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は2018年8月21日、福島県相馬市にある微粉炭・バイオマス混焼火力発電所「相馬石炭・バイオマス発電所」で、火力発電設備の運転状態を監視制御するシステムの稼働が始まったと発表した。相馬石炭・バイオマス発電所は、オリックスグループが100%出資する相馬エネルギーパーク合同会社が運営している。発電所の設計、調達、施工(EPC:Engineering、Procurement、Construction)をMHPSが受注し、2018年3月に完成した。

図 相馬石炭・バイオマス発電所の全景

図 相馬石炭・バイオマス発電所の全景

出所 相馬エネルギーパーク

今回、稼働を始めたシステムはMHPSが開発した「MHPS-TOMONI」。センサーやコンピュータ分析を活用して、火力発電所の運用効率向上と安定稼働を支援する。具体的には発電設備の遠隔監視、異常を示す予兆の早期検知、設備寿命の診断、設備運用状況と効率の監視、機器の最適運用法の提案、水質診断、補機電流診断などの機能を持つ。台湾電力の林口(リンコウ)火力発電所(出力800MW、石炭焚き)に、MHPS-TOMONIの一部機能を導入したところ、運営コストを年間1億円程度削減できることが判明しているという。相馬石炭・バイオマス発電所では、発電設備向けにMHPS-TOMONIの各機能を利用するほか、脱硝触媒装置の寿命診断、排煙脱硫装置や電気集じん機の運転監視にも利用する。

MHPSは、MHPS-TOMONIの稼働開始によって、定期点検間隔の延長など、運用管理業務の効率化、設備の運用改善と性能向上が期待できるとしている。今後は、相馬エネルギーパークと協議を重ね、必要な仕様や機能を検討し、機能を拡張していくという。

相馬石炭・バイオマス発電所は出力112MW(11万2000kW)で、燃料として石炭の微粉末と木質ペレットとを使用する。年間発電量の見込みは約816GWh(約8億1600万kWh)。日本の一般世帯の年間電力消費量にしておよそ23万世帯分に相当する量だ。設備利用率を計算すると約83%となる。発電した電力は全量をオリックスに売電している。


■リンク
三菱日立パワーシステムズ

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