Audiは2018年9月3日(ヨーロッパ中央時間)、同社としては初めての電気自動車(EV)の量産をベルギー・ブリュッセルの工場で始めたと発表した。この車両は2015年のフランクフルトモーターショウで「Audi e-tron quattro concept」という名称で披露したコンセプトカーを基にしたSUV(Sports Utility Vehicle)だ。
図 Audi Brusselsの取締役社長を務めるPatrick Danau氏(左)と、Audiの理事を務めるPeter Kössler氏(右)が、完成した車両にかかったベールを少しだけ引き上げて見せている
出所 Audi
今回生産が始まった車両は、モーターを2つ搭載する4輪駆動車。内蔵蓄電池の蓄電容量は95kWh。日産自動車の「LEAF」(40kWh)や、General Motorsの「Chevrolet Bolt EV」(60kWh)といった普及価格帯のEVに比べると蓄電容量はかなり大きくなっている。また、直流150kWの電流を利用した急速充電に対応しており、30分程度で蓄電容量の80%近くまで充電できる。
ブリュッセルの工場では2016年からこの車両の生産準備を始めており、車体製造ライン、塗装ライン、組立ラインなど、生産ラインを一新したという。また、工場内に蓄電池パック組み立てラインを設置し、完成した蓄電池パックを工場内を走り回る無人運搬車が車両の組立ラインに運ぶようになっているという。さらに、ブリュッセルの工場で働く従業員は、初めてのEV生産を前に、20万時間以上の訓練を受けている。
そして、ブリュッセルの工場は再生可能エネルギー由来の電力を利用するなどして、生産活動に伴うCO2排出量をゼロにしたという。Audiによれは、高級車を製造する工場では世界初のことだという。
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