NTTドコモは2017年3月13日、LoRaを活用したIoTシステムの実証実験環境「ドコモIoT/LPWA実証実験環境」の提供を4月から始めると発表した。提供期間は4月~9月末の予定。発表段階ですでに48の自治体、企業が利用することが決まっているという。LoRaでセンサー機器と通信し、センサー機器からのデータをインターネット経由でクラウドにアップロードできる環境を用意する。クラウドには、末端のセンサー機器を管理する機能も持たせるとしている。
この実証実験環境の中心となるのは、センサー機器とLoRaで通信し、受け取ったデータをインターネット経由でクラウドにアップロードするゲートウェイだ。NTTドコモは2016年11月からLoRaを始めとしたLPWA(Low Power Wide Area)の無線通信技術の検証を続けてきた。その検証過程で開発したのか今回使用するゲートウェイアだ。ゲートウェイは末端のセンサー機器とLoRaで通信し、センサー機器から受け取ったデータをIoT通信向けのLTE規格である「カテゴリ1」や「カテゴリM1」を通してインターネットの向こうにあるクラウドに送信する。
図 「ドコモIoT/LPWA実証実験環境」の全体像
出所 NTTドコモ
NTTドコモはIoTサービスの開発を検討している企業、自治体に実証実験環境を提供する。末端の端末からクラウドまで一通り用意し、「これまでにないさまざまな分野でのIoTサービス」を規格開発することを支援するとしている。無線通信方式の選定や、システム構成などについてのコンサルティングサービスや、実証実験環境の運用サポートサービスも合わせて提供する。
4月の提供開始以降この実証実験環境を使って、企業や団体が農業、インフラ、小売り、防災、自治体等の様々な業界や業種に役立つと考えられるIoTシステムを検証する予定になっているという。NTTドコモは今回の実証実験環境の提供を通して、LPWAネットワークの構築方法や運用ノウハウを蓄積することを目指している。さらに、その蓄積を活用して、2017年中にLPWAネットワークを活用した何らかのサービスを提供することを計画しているという。
■リンク
NTTドコモ