ニチコンは2018年10月5日、同社が販売している公共・産業用蓄電システムに、最大蓄電容量を引き上げ、出力を高めた製品を追加する。2019年1月に発売の予定。特に電力消費量が大きい企業に向けた製品で、通常時は電力単価が低い時間帯に充電し、電力需要が大きく、単価が高い時間帯に蓄電池に充電した電力を消費するピークシフト、ピークカットで電力コストを下げる。災害時は非常用電源としても利用可能だ。
図 ニチコンが2019年1月に発売する公共・産業用蓄電システムの新機種。左がパワーコンディショナーで、右が蓄電池
出所 ニチコン
現行機種は出力が10~20kWで、蓄電容量は15~120kWhだが、今回発表した新製品では出力を50kW、蓄電容量を78kWh単位で624kWhまで増設可能とした。1台78kWhの蓄電池ユニットを8台まで増設可能ということになる。ニチコンは、通常時のピークカット、ピークシフトの効果が大きくなり、災害用電源としても長時間使えるものになるとしている。また、蓄電容量を増設していくことで、企業だけでなく、工場、商業施設、物流倉庫などさまざまな施設でも利用できるようになった。
太陽光発電システムなどの再生可能エネルギー電源と組み合わせることで、発電した電力を無駄なく自家消費できるという効果もある。新製品は50kWの太陽光発電システム用パワーコンディショナーを内蔵しており、各社の太陽光発電モジュールを直接接続できる。
災害時は照明や事務機器などへの電力供給だけでなく、急速充電器との連携で充電した電力を電気自動車やプラグインハイブリッド車に供給できる。
ニチコンは価格を明らかにしていないが、現行品に比べて10%のコスト削減を実現したとしている。これで、国や地方自治体からの補助金を活用すれば9年以内の投資回収も見込めるとしている。
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