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太陽光パネル、定置型蓄電池、EVを直流で相互接続、ニチコンが新開発の蓄電システムを発表

2017/09/27
(水)
SmartGridニューズレター編集部

ニチコンは、新開発の蓄電システム「トライブリッド蓄電システム」を発表した。

ニチコンは2017年9月25日、新開発の蓄電システム「トライブリッド蓄電システム」を発表した。太陽光発電モジュールで発電した電力を定置型蓄電池だけでなく、電気自動車(EV)プラグインハイブリッド車(PHEV)にも充電可能にしたシステムだ。そして、太陽光発電モジュール、定置型蓄電池、EV/PHEVを相互に直流で接続し、3者間の電力のやり取りも可能にした。太陽光発電モジュールが発電する電力を直流のまま相互にやり取りするので、電力の損失を最小限に抑えられる。

図 「トライブリッド蓄電システム」の構成図。太陽光で発電した電力を直流のまま定置型蓄電池とEV/PHEVに充電できる

図 「トライブリッド蓄電システム」の構成図。太陽光で発電した電力を直流のまま定置型蓄電池とEV/PHEVに充電できる

出所 ニチコン

トライブリッド蓄電システムは太陽光発電による電力を自家消費することを狙ったシステム。定置型蓄電池だけでなく、EV/PHEVの内蔵蓄電池も活用することで、電力をより有効に、余すところなく活用できる。ネットワーク制御により、VPP(Virtual Power Plant)にも対応するとしている。

例えば、EVで家族が外出中に太陽光発電モジュールで発電した電力を定置型蓄電池に充電しておき、帰宅したらその電力を定置型蓄電池からEVに直流で供給することが可能。災害などによる停電時は、定置型蓄電池だけでなくEV/PHEVに内蔵蓄電池に充電した電力も活用できるので、より多くの電力を利用できる。

また、太陽光発電モジュール、定置型蓄電池、EV/PHEVへの充電器の電力を変換するパワーコンディショナーを1台に集約し、設置スペースを節約した。そして、このシステムは一度にすべてを揃える必要がないように工夫している。例えば太陽光発電モジュールと定置型蓄電池だけを揃え、EVを購入したらEV用充電器を追加するというように、自由に増設が可能になっている。

また、ニチコンはこの蓄電システムを遠隔制御するスマートフォン向け専用アプリケーションを提供する予定も明かしている。このアプリケーションを通して、新たなサービスを提供する予定もあるという。トライブリッド蓄電システムは、2018年4月に発売予定。


■リンク
ニチコン

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