トヨタ自動車とパナソニックは2019年1月22日、車載用蓄電池の研究開発製造などを手がける合弁会社を設立すると発表した。世界各国、各地域の競争法当局から承認を取得し、2020年末までに合弁会社を設立する。新会社には両社から合計約3500人が転籍する。出資比率はトヨタ自動車が51%で、パナソニックが49%。製造した蓄電池は原則としてパナソニックが自動車メーカーに販売する。
新会社ではまず、車載用角形リチウムイオン蓄電池のエネルギー密度、パワー密度を高め、業界トップの性能を誇る製品の開発に取り組む。トヨタ自動車は電池セルの開発、生産技術に関連する設備と人員を、パナソニックは車載用角形リチウムオン蓄電池の開発、生産技術、製造、調達、受注、管理に関係する設備、資産、負債、人員を合弁会社に移管する。また、新会社はパナソニックが日本国内で運営している工場と、中国・遼寧省大連市に開設した工場(参考記事)を使用する。そして新会社では、全固体電池や、それに続く新世代電池の研究開発にも取り組む。
図 パナソニックが2017年4月に、中国・遼寧省大連市に開設した工場
出所 パナソニック
トヨタ自動車とパナソニックは、今後増加していく電動車両に必要な要件として、コスト、エネルギー密度、充電時間、安全性、安定供給を約束する体制、リサイクルなどを挙げ、電池メーカーや自動車メーカーが単独で解決できるものではないとしている。その結果、合弁会社設立に至ったわけだ。
合弁会社では「電動車に関するノウハウ、市場データ、全固体電池などの新生代技術、そしてトヨタ流のモノづくり」と、パナソニックの「高品質で高い安全性を誇る、大容量、大出力電池の技術、量産技術、国内外の顧客基盤」を融合させる。その結果、車載用蓄電池の開発力と製造力で世界一に立つと宣言している。