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JERAと東電PG、イギリスの蓄電池事業者に36億円を出資ー蓄電池活用のノウハウ吸収を狙う

2019/02/19
(火)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

JERAと東京電力パワーグリッド(東電PG)は、イギリスで大規模蓄電池を活用した事業を展開しているZenobe Energyに最長2年間にわたって、最大2500万ポンドを出資すると発表した。

JERAと東京電力パワーグリッド(東電PG)は2019年2月19日、イギリスで大規模蓄電池を活用した事業を展開しているZenobe Energyに最長2年間にわたって、最大2500万ポンド(36億2500万円:1ポンド=145円で換算)を出資すると発表した。Zenobe Energyは2016年10月にBattery Energy Storage Solutionsという社名で発足し、最近2年間で大規模蓄電施設を9カ所開設している。その最大出力を合計すると73MW(7万3000kW)に達する。また、ギルフォードの街には、電気バスを運用する業者向けに400kWの大出力急速充電器を設置している。この急速充電器にも定置型蓄電池を利用して電気工事を最小限に抑え、電力にかかるコストを圧縮している。

図 Zenobe Energyが運営している大規模蓄電施設(左)と、電気バス向け急速充電器(右)

図 Zenobe Energyが運営している大規模蓄電施設(左)と、電気バス向け急速充電器(右)

出所 Zenobe Energy

現在Zenobe Energyは、イギリスのNational Gridに向けて、送電網など電力事業者側に蓄電池を設置して、各種サービスを提供している。現在は、住宅やオフィスビルなど需要家側に蓄電池を設置して、各種サービスを提供することを目指している。

JERAと東電PGは今後、株主として両社が発電事業者や送電事業者として蓄積してきた経験を生かして、Zenobe Energyの成長発展に貢献する。同時に、イギリスにおける電力事業から各種ノウハウを吸収し、日本国内の発電、送電事業に活用するとしている。

JERAは、蓄電池を活用した需給変動への対応についてノウハウを蓄積し、日本で活用することを目指すほか、日本国内の火力発電所の敷地内に蓄電池を設置し、火力発電所の運転効率を向上させることを目的とした検証などを実施していく。

東電PGは、アンシラリーサービスに限らず、蓄電池を活用したさまざまなサービスを提案し、日本国内に限らず海外でも新規事業の開拓拡大を目指すとしている。


■リンク
JERA
東京電力パワーグリッド
Zenobe Energy

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