IKEAの研究開発部門であるSPACE10は2019年3月7日(中央ヨーロッパ時間)、非電化地域に向けて、太陽光で発電した電力を取引する仕組み「SolarVille」を公開した。そして、住宅が建ち並ぶ一角を1/50スケールで再現したモデルを作り、そのモデルでSolarVilleの仕組みが動作することを確認した。
図 SPACE10が作成したSolarVilleを実証するモデル。住宅が建ち並ぶ一角を1/50スケールで再現している
出所 SPACE10
現在、世界でおよそ11億人の人々が電力をまったく使えない、使えたとしてもほんのわずかだという。そしてSPACE10は、その人々が暮らす地域まで送電線が伸びることは期待できないという。あまりに費用がかかりすぎるからだ。そして、SolarVilleは、そのような地域にマイクログリッドを作り、電力を使用可能にするために開発したという。
SolarVilleを構成する主な要素は3つ、1つ目は太陽光発電システム、設置可能な住宅の屋根に設置する。2つ目は蓄電池。夜間など、太陽光発電システムが動作しない時間帯も電力を利用可能とするためだ。3つ目はブロックチェーン。電力のやり取りの履歴を記録する。
SPACE10が作成した1/50スケールのモデルには、実際に太陽光発電モジュールや蓄電池のほか、ブロックチェーンのシステムも組み込んである。住宅にはLEDを仕込んであり、照明など人工的な光を当てると、SolarVilleの仕組みが実際に動いていることを確認できるという。
SPACE10は、SolarVilleが普及するにはまだ太陽光発電システムと蓄電池が高価であるという課題を挙げている。しかし、今後の技術革新でどちらも価格が下がっていくことは確実とし、今後のSolarVilleの普及に自信を見せている。
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SPACE10