ヤマト運輸は2019年3月27日、ドイツStreetScooterと共同で宅配専用の小型商用電気トラック(EVトラック)を開発したと発表した。2019年度中に500台を導入し、秋から東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県で順次運用を始める予定。StreetScooterは、ドイツのアーヘン工科大学(RWTH Aachen University)の研究者が2010年に設立した企業。2014年にはDeutsche Post DHL Groupが買収しており、現在はその傘下で活動を続けている。
図 ヤマト運輸がドイツStreetScooterと共同で開発した宅配用EVトラック
出所 ヤマト運輸
ヤマト運輸によると、今回発表した車両は日本初の宅配専用小型商用EVトラックになるという。StreetScooterとは2019年12月から共同検討作業を開始し、完成にこぎ着けた。ヤマト運輸の独自車両としては、1982年に開発したウォークスルー車(運転席と後方の荷台の間に障壁がなく、運転手が自由に行き来できる車両)以来だという。
今回開発した車両は小型に仕上げているため、中型免許を保有していなくても、普通免許で運転できる。また、荷台が三方向に開く構造になっており、荷台に乗り込むことなく荷物の積み下ろしが可能だという。さらに、荷台にはLED照明を設置してあり、夜間でも荷物を探す作業が容易になるという。
そして、動力を切ると自動的にシフトがパーキングに入る機構を搭載している。これにより、坂道などに駐車した際に、車両が動き始めることを防げる。インターネット通信環境も搭載しており、運転状況や故障などの情報をリアルタイムでクラウドにアップロードする。車体の外形寸法は、全長4700mm、全幅1830mm、全高2250mm。車両重量は2850kg。最大積載量は600kg。
ヤマト運輸は将来、今回開発した車両に自動運転機能や機械学習を利用した機能などを搭載することを予定している。