三菱ふそうトラック・バスとヤマト運輸は2017年10月19日、電気トラック「eCanter」をヤマト運輸が導入すると発表した。ヤマト運輸はeCanterを荷物の集配に使用する目的で25台導入する。2017年11月から、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の拠点に順次導入し、2017年度中に25台の導入が完了する予定。
図 ヤマト運輸が導入するeCanterのイメージ
出所 ヤマトホールディングス
三菱ふそうトラック・バスは、2017年7月に同社の川崎工場でeCanterの生産を開始したとき、2017年内の生産台数は50台で、そのうち25台はセブン-イレブン・ジャパンに納車することが決まっているとしていた(参考記事)。今回ヤマト運輸が25台導入することで、2017年内の生産分はすべて販売先が決まったことになる。
また三菱ふそうトラック・バスとセブン-イレブン・ジャパンも、導入計画を発表した。2017年12月18日に東京都日野市の配送センターに1台導入したあと、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の8カ所の配送センターに順次導入していき、2018年夏までに導入が完了する予定としている。さらに導入する車両に、東プレ製の電気式冷蔵機を搭載し、冷蔵車仕様にすることも明らかにしている。
図 セブン-イレブン・ジャパンが導入するeCanterのイメージ。全車冷蔵車仕様となる
出所 セブン-イレブン・ジャパン
ヤマト運輸もセブン-イレブン・ジャパンもこれまで、地球環境保護のために環境に配慮した車両を導入するなどの活動を続けている。今回のeCanter導入の大きな理由として両者とも騒音や排出ガスの問題への対応を挙げている。さらに、既存の中型トラックに比べて運用コストが低くなるという点も挙げている。三菱ふそうトラック・バスは2014年から2017年にかけてポルトガルとドイツの複数の顧客にeCanterの試作車両を提供し、性能を検証した。その結果、ディーゼルエンジン車と比べて、走行距離1万km当たり、1000ユーロ(13万円:1ユーロ=130円で換算)のコスト削減効果があることを確認している。