資源エネルギー庁は、昨年12月18日付けで「再生可能エネルギーの最大限導入に向けた固定価格買取制度の運用見直し等について」をとりまとめ、関係する省令・告示改正案についてパブリックコメントを実施した。寄せられた意見などを踏まえたうえで、1月22日付で電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令と関連告示を公布した。1月26日より施行、省令一部および告示については2月15日に施行となる。
1.改正趣旨
資源エネルギー庁は、再エネ特措法に基づく再生可能エネルギー発電設備の接続申し込みに対し、複数の一般電気事業者で回答保留が生じている状況を踏まえ、総合資源エネルギー調査会の新エネルギー小委員会及び同小委員会系統ワーキンググループにおいて、問題点の整理および当面講ずべき対応策の検討を行った結果を踏まえ、新たな出力制御ルールの下での再生可能エネルギー導入への移行および固定価格買取制度の運用見直しを行う。
電力系統への接続に制約が生じるなか、最大限の再生可能エネルギー導入(kWh ベース)を実現するためには、より実効的かつきめ細かな出力制御ルールを導入することが不可欠である。
今後、新たな出力制御ルールに基づき、きめ細かな出力制御を行うことで、再エネ電源の最大限導入を進め、「安定供給」と「再エネの導入拡大」との両立を図っていく。
2.改正省令・告示の内容
・新たな出力制御ルールの下での再生可能エネルギーの最大限導入
- 出力制御の対象の見直し
- 「30 日ルール」の時間制への移行
- 指定電気事業者制度の活用による接続拡大
・固定価格買取制度の運用見直し
- 陽光発電に適用される調達価格の適正化
- 接続枠を確保したまま事業を開始しない「空押さえ」の防止
(参考)公布した省令及び告示
- 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令
- 平成二十四年経済産業省告示第百三十九号(電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法第三条第一項及び同法附則第六条で読み替えて適用される同法第四条第一項の規定に基づき、同法第三条第一項の調達価格等並びに調達価格及び調達期間の例に準じて経済産業大臣が定める価格及び期間を定める件)の一部を改正する告示
3.パブリックコメントに寄せられた指摘などを踏まえた、今後の対応
- 接続可能量の定期的な検証
- 出力制御に関するルールやその遵守状況をチェックする仕組みなどの整備
- 出力制御期間の見込みの公表など
- 連系線利用ルール等の見直し
- 住宅用太陽光発電等の小規模太陽光発電や小規模風力発電に関する出力制御の適用時期の後ろ倒し
■リンク
経済産業省