世界の導入量:2000年から2011年にかけて72%の成長
まず、世界における再生可能エネルギー全体の導入容量(GW:ギガワット)の推移について、米国のNREL(National Renewable Energy Laboratory、国立再生可能エネルギー研究所)がまとめた、2000年から2011年までの累積量をまとめたものが図1である。
図1 世界における再生可能エネルギーの導入状況(単位:GW)
〔出所 「2011 Renewable Energy Data Book」、 http://www.nrel.gov/docs/fy13osti/54909.pdf〕
2000年には748GWであった導入容量は、2011年に1285GWにまで増え、2000年から2011年にかけて72%成長したことになる。このうちもっとも成長が速いのは風力と太陽光であり、2000年と比べた2011年の導入容量は、風力で13倍、太陽光では51倍にまで増えている。ただし、絶対量で見た場合、もっとも多いのは水力で、この傾向は2000年から現在まで変わりがない。それに次いで多いのは風力で、世界的に風力発電への注目が高いことがわかる。
この2011年の導入量を国別に見ると、もっとも導入量が多かったのは中国で、第2位は米国となっている。それに次いで、ブラジル、カナダ、ドイツという順に並んでいる。
太陽光発電の導入量:欧州の2011年は世界全体の約74%
以降は、個々の再生可能エネルギー源の導入状況を見ていくこととする。
まず太陽光である。図2はEPIA注3(欧州太陽光産業協会)がまとめた2000年から2011年までの太陽光発電の導入量(MW:メガワット)の推移である。
図2 世界における太陽光発電の累積導入量(単位:MW)
〔出所 「Global Market Outlook for Photovoltaics until 2016」、 http://www.epia.org/fileadmin/user_upload/Publications/Global-Market-Outlook-2016.pdf〕
2011年の全世界の導入量は69,684MW(約70GW)となっており、2010年の導入量(40,019MW、約40GW)と比較して、約1.7倍となっている。なかでも欧州の2011年の導入量は51,716MW(約52GW)と世界全体の導入量の約74%を占めている。
2011年の導入量を国別に見ると、もっとも導入量が多かったのはドイツで、イタリアがそれに次いでいる。日本の2011年の導入量は世界第3位で、世界全体の導入量のうち7%を占めた。第4位以降はスペイン、米国、中国などの国が並んでいる。
▼ 注1
日本では、経済産業省の過去の政策において、化石燃料由来以外の電源を「自然エネルギー」や「新エネルギー」という名称で呼ぶこともあったが、最近では「再生可能エネルギー」と呼ぶことが一般的である。これは、2011年3月11日に法案として閣議決定され、2012年7月1日から施行された「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」が大きな契機となっている。
▼ 注2
BP(イギリスに本社を置くエネルギー関連企業)が毎年発表している“Statistical Review of World Energy 2012”に掲載されているデータをもとにすると、世界における2011年のエネルギー消費量のうち再生可能エネルギーが占める割合は約1.5%であった。
▼ 注3
EPIA:European Photo-voltaic Industry Associa-tion。