Open Connectivity Foundation(OCF)は2016年10月10日(米国時間)、AllSeen Alliance(AA)を吸収すると発表した。どちらの団体も、IoT機器が機器とサーバー、あるいは機器同士などさまざまな場面で通信が必要になる場合に、その機能を簡単に実現できるように標準仕様を策定している。元々同じ目的で活動していた団体が合流した形となった。
図 Open Connectivity Foundationのロゴ
出所 Open Connectivity Foundation
IoT機器の相互接続のための業界団体として先に立ち上がったのはAA。2013年12月に、Qualcomm、LG、Cisco Systems、シャープなどが参加し、Qualcommは同社で開発していたIoT機器の接続技術「AllJoyn」を供与している。AllJoynはその後、オープンソースとなりAAが中心になって開発を進めていた。
その後2014年7月、IntelやSamsung Electronicsが中心となって、IoTの接続技術の標準を策定することを目的としてOpen Interconnect Consortiumが立ち上がった。そして、この団体は2016年2月に名称を「Open Connectivity Foundation」に変更し、MicrosoftやElectroluxといった企業を新たにメンバーに加えている。
OCFはIoTの相互接続技術のオープンソース実装を開発、提供するプロジェクト「IoTivity」を支援している。また、AAもほぼ同じことを目的としたオープンソース実装「AllJoyn」を開発、提供している。今回の吸収合併によってそれぞれのプロジェクトの行方が気になるという人もいるかもしれないが、当面はどちらのプロジェクトもOCFが運営していく。
また、IoTivityとAllJoynのプロジェクトはこれから統一仕様とその実装を提供するために協力していく。その前段階として、IoTivityとAllJoynにの間には互換性を持たせるようにするとしている。OCFはIoTivityあるいはAllJoynの技術を使って、製品開発を進めている開発者に対して、互換性の問題を心配することなく開発をすすめるように推奨している。
今回の吸収は両組織の強みを生かすことを狙ったものだという。AAは、AllJoynの技術を確立し、技術認定制度を設立した実績がある。かなりの数の製品が、認定を受けて市場に出ている。
OCFには、多様な分野から多数の企業が参加しており、その数はAAをはるかにしのぐ。そして、様々な市場の声を反映させた技術標準を確立し、その標準を実装したオープンソースソフトウェアIoTivityを作り上げている。