JFEエンジニアリングは2017年2月27日、熊本県水俣市で再生可能エネルギーによる電力を供給することを目指して、実証実験を開始すると発表した。水俣市、JNCと共同で実施する。水俣市は電力供給を受ける。JNCは熊本県、宮崎県、鹿児島県に合計で13の水力発電所を保有し、運営している。JNCは今回の実験で、自社が保有する発電所のいずれかから電力を供給する。
JFEエンジニアリングは、同社が日本全国で運営している再生可能エネルギーを利用した発電所から、電力を集めて供給する。JFEエンジニアリングは、太陽光、風力、バイオマス、廃棄物などの再生可能エネルギーを利用して発電事業を進めている。JFEエンジニアリングとJNCからの電力はJFEエンジニアリングの電力子会社であるアーバンエナジーが供給を受け、水俣市の保有施設に届ける。アーバンエナジーは合計でおよそ1000kWの電力を水俣市の施設に供給する。電力供給開始時期については、「2017年度の早い時期」としている。
図 今回の実験の参加者と、それぞれの役割分担
出所 JFEエンジニアリング
実験期間は2017年2月~2018年3月まで。水俣市の施設への電力供給が始まってから、6カ月ないし1年で、効果を判断する。具体的には、電力を安定して供給できるかという点、電気料金をどれほど削減できるという点、再生可能エネルギー由来の電力を使うことで、CO
図 JNCが九州3県で運営している水力発電所
出所 JNC
効果があると確認できたところで、JFEエンジニアリングは水俣市、JNCと共同出資で、地域にエネルギーを供給する会社を設立するために協議を始める。実験期間はおよそ1年としているが、1年を待たずに事業化に向けて動き出す可能性もあるとしている。
JFEエンジニアリングは2017年2月2日に、静岡県磐田市と共同で「スマートエナジー磐田」を設立して、官民連携で地域にエネルギーを供給する事業を始めることを明らかにしている(関連記事)。スマートエナジー磐田は4月1日の設立を予定している。官民連携でエネルギー供給事業を展開するのか、これが日本初の例となる。今回の水俣市との実験も、官民連携の取り組みだ。JFEエンジニアリングは今後、地域それぞれの特徴を活かして、環境負荷とエネルギーコストの低減に取り組み、地産地消型のエネルギー供給事業を積極的に進めるとしている。
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