三井住友建設は2017年6月5日、香川県のため池の水上に大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設を始めたと発表した。設計、調達、施工(EPC:Engineering、Procurement、Construction)はSMCテックが担当。運用は三井住友建設が担当する。
新設のメガソーラーの所在地は香川県木田郡三木町平木字南山田(きたぐんみきちょうひらぎあざみなみやまだ)。ここにある農業用ため池である「平木尾池(ひらぎおいけ)」の水上に建設する。
太陽光発電モジュールを水上に浮かべるための基盤となるフロートシステムは三井住友建設自身が開発したものを採用する。フロート内部に発泡材を充填して、フロートが損傷しても水没を防ぐ工夫などを加えたほか、中空のフロートに比べて3~5倍の剛性と強度を発揮するという。その上、部品点数を削減して他社のフロートと比べても変わらない価格を実現したとしている。
図 三井住友建設が開発したフロートシステムを利用して水上に太陽光発電モジュールを設置したところのイメージ
出所 三井住友建設
太陽光発電モジュールの設置面積は約2.9ha(2万9000m2)。ここに太陽光発電モジュールをおよそ9500枚設置する。太陽光発電モジュールとパワーコンディショナーのメーカーは非公開。
合計出力は約2.6MW(約2600kW)。三井住友建設は年間発電量が約2.9GWh(約290万kWh)に達すると予想している。資源エネルギー庁が試算した一般世帯の年間電力消費量は、3600kWh。この値を当てはめると、一般家庭の年間消費電力量に換算すると約806世帯分に当たる。発電した電力は再生可能エネルギーの固定価格買取制度を利用して、全量を四国電力に売電する。売電単価は非公開。
三井住友建設は2014年に、香川県農政水産部農村整備課から委託を受けてフロートを利用したため池での太陽光発電の実証実験に取り組んだ。これをきっかけに、2015年には自社でフロートシステムを開発し、販売を始めた。以降、同社が開発したフロートシステムは、国内で4件、海外で2件(どちらも施工中を含む)の採用実績を積んできたという。今回の自社開発の水上メガソーラーの実績を活かして、フロートシステムのさらなる拡販に取り組むとしている。
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三井住友建設