イギリスAston Martinは2017年6月27日(現地時間)、同社としては初めてとなる電気自動車(EV)「RapidE」の生産を2019年に始めると発表した。生産台数は155台限定となる。Aston Martinは2015年10月にEVのコンセプトモデル「RapidE Concept」の構想を発表し、市販の可能性を模索していた。
図 Aston Martinが公開した「RapidE」のイメージ
出所 Aston Martin
RapidEの生産には、RapidE Conceptの構想立案で協力関係にあるWilliams Advanced Engineering社が協力する。同社はF1のWilliamsチームを運営するWilliams Grand Prix Engineering社の関連会社であり、電気自動車だけが参加するレース「Formula E」の各チームに蓄電池を供給している。Williams Advanced Engineering社は、同社が蓄積してきたEV、特に蓄電池の技術で協力できるだろうとしている。
RapidEは、Aston Martinの4ドアスポーツカー「Rapide S」にモーターと蓄電池を載せたような作りになる予定。Rapide Sは排気量6リットルで560馬力を発揮するV12エンジンを搭載しており、ほぼ同等の性能のモーターが載ると考えられる。モーターには独特の加速感があるので、Aston MartinはRapidEは同社が販売してきた過去のどの乗用車とも異なる独特の乗り心地を提供するだろうとしている。
Aston Martinの社長兼CEOのAndy Palmer博士は、「ガソリンエンジンは1世紀以上に渡ってAston Martinの自動車の心臓であり続けたし、これから先もそうあり続ける。そしてRapidEはAston Martinの未来像、情熱、自動車産業に来たるべき大変革を受け入れる力を示す存在になるだろう。まったく新しい種類の自動車を顧客に届けることで、Aston Martinの変わらぬ精神を示し、顧客に喜びを届けることになるはずだ」とRapidEの生産に向けて意気込みを示した。