ドイツRobert BoschとドイツDaimlerは2017年7月24日(現地時間)、新開発の自動駐車技術「Automated Valet Parking」の実車デモを公開した。自動駐車技術は各社が実用化しているが、駐車する場所のすぐそばまで自動車を移動させてから動作させるものだった。今回Robert BoschとDaimlerが公開した技術は、自動車を大規模な多層階の駐車場の中を自動運転で移動させて、目的の駐車スペースに自動で駐車させるというものだ。
今回のデモはドイツ・シュトゥットガルトにある「メルセデス・ベンツ博物館」の駐車場で実施した。複数の階層を持つ大規模な駐車場だ。この駐車場にRobert Boschが必要なセンサー類を設置して、デモを実施した。この技術は、Robert Boschが設置したセンサー類からの信号を自動車が受信して、接触などの危険を回避しながら駐車スペースまで移動し、自動操作で駐車するというものだ。
デモの画像を見ると、駐車場の入口近くにあるAutomated Valet Parking専用の一時停車スペースで、運転手と同乗者が降車し、スマートフォンのアプリケーションを操作する様子が見える。アプリケーションの操作が済むと無人状態になっている自動車が走り始め、広い駐車場の中を動き回り、駐車スペースを見付けて自動的に移動する。
図 駐車場内の所定の位置に自動車を停めたら、降車してスマートフォンのアプリケーションを操作する。自動車は操作に従って、自動的に駐車スペースに向かって走り始める
出所 Daimler
メルセデス・ベンツ博物館の駐車場は複数階構成の大規模なものだが、指示を受けた自動車は無人状態でもスムーズに車両を走らせて、別のフロアに移動して駐車スペースまでたどり着く。あとは自動操作で駐車スペースに駐車させるだけだ。
図 駐車場内を走行する無人状態の自動車
出所 Daimler
駐車場から自動車を出すときは、駐車場近くの待合スペースでスマートフォンのアプリケーションを操作すれば良い。それを検知した自動車が駐車スペースから出庫し、駐車場内を走行して、運転者や同乗車が待つところまでやって来る。広い駐車場内を歩き回って、自身の自動車を探し回る必要がなくなる。
動画 「Automated Valet Parking」の実車デモの様子
出所 Daimler
Daimlerは2018年初から、メルセデス・ベンツ博物館の駐車場でAutomated Valet Parkingを一般来場者も利用できるようにするとしている。ただし、対応車種などの条件は明らかにしていない。それまでにこのシステムに対応させるためのオプションや、対応車種を発売する可能性もある。
そして、Automated Valet Parkingのシステムは既存の駐車場に後付けが可能だともしている。このシステムを導入すると、導入前に比べて同じ面積の駐車場に駐車可能な台数が最大20%増加するという。