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岩谷産業、岡山県初の水素ステーションを開設―機器のパッケージ化で省スペース化

2018/05/01
(火)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

岩谷産業は、岡山県岡山市に「イワタニ水素ステーション岡山南」を開設した。

岩谷産業は2018年4月26日、岡山県岡山市に「イワタニ水素ステーション岡山南」を開設した。岡山県内初の商用水素ステーションとなる。岩谷産業は2017年7月にこの水素ステーションの建設を始めると発表している(関連記事)。2017年末に建設を開始し、5カ月ほどの工期で完成にこぎつけた。

短期間の工期で完成させる上で役に立ったのが、「ユニット化」だ。圧縮機、蓄圧器、水素ディスペンサーなど、水素ステーションを構成する主要な機器をまとめて「ユニット」とし、工場で組み立てて現地に運び込んだ。従来の方式では、個々の機器を建設現場に持ち込んで設置、配管の工事が必要だったが、ユニット化すれば現地で必要な工事を大きく削減できる。その結果、建設コストも削減できたという。

図 水素ステーションを構成する主要な機器(破線内)を「ユニット」として、工場で組み立てて現場に持ち込んだ

図 水素ステーションを構成する主要な機器(破線内)を「ユニット」として、工場で組み立てて現場に持ち込んだ

出所 岩谷産業

機器の設置スペースも縮小できた。設置スペースが同等の「イワタニ水素ステーション大阪本町」の水素供給能力は1時間当たり100Nm3。1時間当たりの充填可能台数は2台。一方、新設の水素ステーションの供給能力は1時間当たり150Nm3と、大阪本庁を上回る。1時間当たりの充填可能回数は3台となる。

「イワタニ水素ステーション岡山南」の所在地は岡山県岡山市南区藤田。敷地面積は約834m2。水素充填圧力は82MPa。トヨタ自動車の「MIRAI」や本田技研工業の「CLARITY FUEL CELL」に対応できる。水素は工場で製造したものをカードル(圧縮ボンベ)に詰め込んで運び込む。

岩谷産業は今後燃料電池車が普及し、イワタニ水素ステーション岡山南の利用者が増えたら、圧縮水素の貯蔵量を増加させることで充填可能台数を増やせるとしている。そして、今回採用したユニット化は、狭小な土地にも水素ステーションを建設可能にし、工期短縮と建設コスト削減にも有効な手法だ。岩谷産業は今後、地方都市への水素ステーション建設と、都市部の狭い土地に水素ステーションを建設する際に、ユニット化を有効に活用するとしている。


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岩谷産業

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