ドイツSono Motors社は2017年7月28日、新開発の電気自動車(EV)「Sion」を発表した。同社は2016年1月設立のまだ新しい企業。設立以来、今回発表したSionの開発に取り組んできた。
図 Sionを側面から写した写真
出所 Sono Motors社
Sionの大きな特徴は3つ。1つ目は低価格であること。Sono Motors社はSionの価格を1万6000ユーロ(208万円:1ユーロ=130円で換算)としている。最近はGeneral Motorsの「Chevrolet Bolt EV」や、Teslaの「Model 3」といった普及価格帯のEVが登場しているが、その価格は日本円にして400万円前後。Sionの価格は「破格」と言ってもいい。
2つ目は蓄電池が別売りであること。そして、この点を考えてもやはり破格の値付けであることだ。Sono Motors社は、Sionの蓄電池の価格について4000ユーロ(52万円)未満に収まるとしている。自動車本体と合わせても260万円ほどだ。その蓄電池で走行可能な距離はおよそ250km。同社は現在Sionの予約を同社のWebサイトで受け付けているが、蓄電池の予約はまだ受け付けていない。その理由として、納車の時点で最新の、そして最良の蓄電池を提供したいからだとしている。
3つ目は、外装の各部に貼り付けた太陽光発電セルだ。貼り付けたセルの枚数は合計で330枚。車両の天面、ボンネット、側面、後面などに敷き詰めるように貼り付けている。これらの太陽電池セルはおよそ30km走行するのに必要な電力を毎日発電し、蓄電池に充電するという。
図 Sionのボンネット(左)と、天面(右)。多数の太陽光発電セルが並んでいる
出所 Sono Motors社
Sono Motors社は、Sionの量産を2019年第2四半期に開始する計画を立てているが、この予定通りに量産を始めるには5000台の予約を獲得する必要があるとしている。ちなみに正式発表前の断片的な情報公開で、およそ1500台の予約を獲得しているという。
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Sono Motors社