[新動向]

ソニーがSDGs・パリ協定実現に向けてRE100に加盟

— 加盟数は全世界で152社、日本は11社へ —
2018/10/01
(月)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

国連が採択したSDGs(持続可能な開発目標)をはじめ、2016年に発効したパリ協定の実現に向けた取り組みが国際的に活発化するなか、日本でも「SDGsとSociety 5.0」を連携させた経団連の動きなども活発化し、地球温暖化対策や脱炭素化社会に向けた方針を打ち出す企業が増えてきている。
このような背景のもとに、ソニーがRE100に加盟した(注1)。ここでは、ソニーの環境計画「Road to Zero」の最終目標である「環境負荷ゼロ」への取り組みを見ていく。

ソニーのRE100への加盟

 RE100(Renewable Energy 100、図1参照)とは、国際NGO団体である The Climate Group(TCG)注2がCDP注3とのパートナーシップのもとで運営するイニシアチブで、企業の事業運営を100%再生可能エネルギー(以下、再エネ)で調達することを宣言した企業が加盟する組織である。

図1 RE100リーダーシップ・フレームワーク

図1 RE100リーダーシップ・フレームワーク

出所 http://media.virbcdn.com/files/ef/f8e97377fa5493be-RE100LeadershipPaper.pdf

表1 日本のRE 100加盟企業11社(加盟順:2018年9月現在)

表1 日本のRE 100加盟企業11社(加盟順:2018年9月現在)

出所 http://there100.org/companies

 すでに全世界で、アップルやグーグル、マイクロソフト、BMW、GM、イケア、ナイキ、コカコーラなど152社が加盟している。日本企業としてはリコーが2017年4月に初めて加盟し、その後、今回のソニーの加盟により11社となった注4(表1、2018年9月現在)。

 現在ソニーは、欧州において同社グループの各拠点で使用する電力を、100%再エネ由来のものに転換している。

 今後は、同社の環境計画「Road to Zero」注5という長期的ビジョンのもとに、2040年度までに、ソニーの世界の全拠点で使用する電力を100%再エネにすることを、2018年9月10日に発表した。

ソニーの環境計画「Road to Zero」

 前述したように、ソニーグループは、2050年までに自社の事業活動および製品のライフサイクルを通して「環境負荷ゼロ」の実現を目指す環境計画「Road to Zero」を、長期的ビジョンとして掲げた。

 現在、その達成に向けて、2016年度から2020年度までの環境中期目標である「Green Management(グリーンマネジメント)2020」の施策を実行しており、その重点項目の1つが再エネの活用となっている。

 具体的には、2020年度までの5年間累計で、再エネの活用によるCO2削減貢献量を30万トンと設定し、再エネ証書スキームの活用や太陽光パネルの設置など、さまざまな形で再エネの導入を加速している(すでに2017年度までの2年間累計で、約15.4万トンの削減貢献を実現)。


▼ 注1
https://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/201809/18-0910/index.html

▼ 注2
The Climate Group(TCG):ロンドンとニューデリー、ニューヨークに拠点をもつ国際NGO団体。地球温暖化を2℃以内にするための気候変動対策を推進することをミッションに掲げている(2004年設立)。

▼ 注3
CDP:温室効果ガスの排出量削減や水資源と森林の保護のために企業や行政機関を先導する国際非営利団体(NPO、2000年設立。以前はCarbon Disclosure Projectと言われていた)。

▼ 注4
http://there100.org/companies

▼ 注5
https://www.sony.co.jp/SonyInfo/csr/eco/RoadToZero/gm.html

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