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パナソニックとソフトバンク、NB-IoTで常時接続のIoT家電を商用環境で実証実験

2018/11/01
(木)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

パナソニックとソフトバンクは、LPWA無線通信技術の1種である「NB-IoT」の商用環境で、常時接続IoT家電の実証実験を実施すると発表した。

パナソニックとソフトバンクは2018年11月1日、LPWA(Low Power Wide Area)無線通信技術の1種である「NB-IoT(カテゴリNB1)」の商用環境で、常時接続IoT家電の実証実験を実施すると発表した。

NB-IoTは携帯電話通信の技術を流用したもので、通信速度を上り62kbps、下り21kbpsまで下げ、使用する周波数帯域幅も180kHzまで狭めた方式だ。通信に免許が必要だが、既存のLTE基地局を流用できるので、短期間で全国規模の通信サービスを提供する環境を作れる。ソフトバンクは2018年4月から、Cat. M1とNB-IoTの商用サービスを開始している。今回の実証実験は2018年11月から大阪で開始する。

またソフトバンクは2018年9月末に、移動体通信の国際的な標準化団体である3GPPが新たに規格化した「NIDD(Non-IP Data Delivery)」技術の接続試験を世界で始めて商用環境で成功させている。NIDDは機器にIPアドレスを割り当てることなく相互通信を可能にする技術。通信パケットに送信元/送信先IPアドレスなどを記録する必要がなくなるため、パケットのヘッダー情報を削減でき、消費電力当たりの送信できるデータ量が増加する。また、IPアドレスを使用しないためハッカーからの攻撃を受ける可能性を抑えることも可能だ。今回パナソニックとソフトバンクが実施する実証実験でも、NIDDを活用する。

図 デンソーが新たに開発する自動運転技術開発の新拠点のイメージ

図 デンソーが新たに開発する自動運転技術開発の新拠点のイメージ

出所 ソフトバンク

パナソニックはスマートフォンやWebサービスと連携するIoT家電の開発販売を始めているが、インターネット回線がない世帯やでも電源を入れるだけで簡単に使える製品や、ユーザー1人ひとりに合わせてアップデートを繰り返す製品などの実現を視野に入れている。このようなIoT家電が使用する通信手段としてLPWAに注目し、各種方式を検証しているという。


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パナソニック
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