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「Pepper」が人間と産業用ロボットの仲介役に、川崎重工業とソフトバンクらが連携

2017/02/07
(火)
SmartGridニューズレター編集部

川崎重工業とソフトバンクとソフトバンクロボティクスは、ヒト型ロボット「Pepper」と、川崎重工業の産業用ロボットを組み合わせて、より多くの人が産業用ロボットを利用できる取り組みを始めるために協業すると発表した。

川崎重工業とソフトバンクとソフトバンクロボティクスは2017年2月7日、ヒト型ロボット「Pepper」と、川崎重工業の産業用ロボットを組み合わせて、より多くの人が産業用ロボットを利用できる取り組みを始めるために協業すると発表した。

今回の取り組みではまず、人間とのコミュニケーションが得意なPepperと川崎重工業の産業用ロボットを組み合わせる。Pepperが人間とコミュニケーションを取り、希望する作業内容を聞き取ったところで、産業用ロボットに指示を出すという仕組みを作り上げた。産業用ロボットの作業内容をPepperが人間に伝える機能も持たせたという。

Pepperの「パートナー」となるのは川崎重工業の産業用ロボット「duAro」。「水平多関節(Selective Compliance Assembly Robot Arm:SCARA)ロボット」というものの1種。水平方向によく動くアームを持つロボットだ。川崎重工業はduAroを「人が両手でする作業を置き換えられる」と表現している。

図 川崎重工業の「duAro」(左)とソフトバンクロボティクスの「Pepper」(右)

図 川崎重工業の「duAro」(左)とソフトバンクロボティクスの「Pepper」(右)

出所 ソフトバンク

人間が産業用ロボットを使いこなすには、操作に習熟する必要がある。そこで、今回の組み合わせを活かして、習熟した作業者がいない工場や店舗、事務所などへの産業用ロボットの導入を推し進める考えだ。人間とコミュニケーションが得意なPepperと精密作業が得意な産業用ロボットがお互いに良いところを発揮して、相手の足りないところを補完する組み合わせと言える。

duAroとPepperの共同作業の第1弾として、Pepperが人から指示を受けて、duAroがスマートフォンの画面に液晶保護フィルムを貼るデモンストレーションを披露する。デモンストレーションの場は、2月8日〜2月9日に虎ノ門ヒルズフォーラムで開催予定の「Pepper World 2017」。

また、川崎重工業は東京・お台場にある自社のロボットショールーム「Kawasaki Robostage」にPepperを導入し、来訪客に日本語、英語、中国語の3言語で案内サービスを提供する。PepperがduAroを動かす様子も披露する予定。Pepper導入時期は2月下旬。

図 duAroの応用例の一部。Pepperとの組み合わせで、さらに用途が広がるかもしれない

図 duAroの応用例の一部。Pepperとの組み合わせで、さらに用途が広がるかもしれない

出所 川崎重工業

一方ソフトバンクは、法人向け携帯電話へのアプリケーションのインストール作業にduAroを試験的に導入する予定。ロボットによる作業の自動化で、納期短縮を図り、顧客サービス向上につなげる。ほかにも、さまざまな分野でduAroとPepperの効果的な組み合わせを検討していくとしている。


■リンク
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ソフトバンク
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