ソフトバンクは、IoT向け通信規格「NB-IoT(カテゴリNB1)」の実証実験を屋外で実施すると発表した。
ソフトバンクは2016年11月22日、IoT向け通信規格「NB-IoT(カテゴリNB1)」の実証実験を屋外で実施すると発表した。屋外でのNB-IoTの通信実験は国内初となる。ソフトバンクはこの実験のために11月16日、実験試験局免許を取得している。
NB-IoTはIoT向け通信技術「LPWA(Low Power Wide Area)」の一種。携帯電話通信の技術を流用したもので、通信速度を上り62kbps、下り21kbpsまで下げ、使用する周波数帯域幅も180kHzまで狭めた方式だ。通信に免許が必要だが、既存のLTE基地局を流用できるので、短期間で全国規模の通信サービス提供の体制を整えることができる。
今回の実験は11月24日、25日に、千葉県千葉市美浜区で実施する。スマートパーキングにNB-IoT通信モジュールを取り付けて、車の入出庫に応じた挙動の変動を見る。実験実施にあたって、基地局を1局設置する予定。
ソフトバンクは今回の実験以降、何回も実験を実施していき、2017年夏ごとにはNB-IoTのネットワーク構築を目指すとしている。ただし、この時点では商用サービスの提供を予定しているわけではない。さらに実験を繰り返して、商用サービスの可能性を探るということだろう。
ソフトバンクは2016年9月12日に、LPWA通信技術「LoRaWAN」の通信サービスを2016年度中に始めるとしている。LoRaWANは通信に免許が必要ないという違いはあるが、NB-IoTと同じく、IoT機器の通信に向けたものだ。ソフトバンクはLoRaWANのサービス提供を発表した時に、LPWAネットワークを利用したサービス例として商業施設やビル、工場、倉庫の設備管理や、住宅や学校での子どもの見守り、土砂災害や河川増水時の対策などを挙げているが、NB-IoTも同じ用途で役に立つと考えているという。
図 ソフトバンクが9月21日のLoRaWAN商業サービス発表時に提示した図。LoRaWANに限らず、LPWA通信のエリアとして考えられるものを集めたものだ
出所 ソフトバンク
ソフトバンクはLoRaWANやNB-IoTなどのIoT通信について、利用シーン、利用価格、必要な通信速度、通信機が電池で駆動できる時間の長さ、サービスエリアの広さが変わると考えている。そのためにはさまざまな通信技術を利用したサービスが必要とし、NB-IoTについてもLoRaWANと同じように商用サービス提供に向けて、技術検証を続けていくとしている。
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ソフトバンク
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