ソフトバンクは、ARMコアのマイクロコントローラを搭載したロボットキット「うおーるぼっとLED」の販売を始めた。
ソフトバンクは2016年12月22日、ARMコアのマイクロコントローラを搭載したロボットキット「うおーるぼっとLED」の販売を始めた。同社が運営するショッピングサイト「+Style」で販売しており、価格は2万7000円(税込)。12月22日の時点で、納品時期は2017年1月中旬となっている。
うおーるぼっとLEDは、2つの車輪で走行するロボット。裏側にネオジム磁石を取り付けてあるので、ホワイトボードなど磁石がつくところなら壁を登ることや、天井を走らせることが可能。背面には16×16ドットのドットマトリクスLEDが付いており、簡単なアイコンなどを表示できる。
図 うおーるぼっとLED。壁や天井も走行できる
出所 ソフトバンク
Bluetooth Low Energy(BLE)の通信機能を持っており、スマートフォンとBLEで通信し、専用アプリ「RCBController」で操縦することもできる。
最大の特徴はARMがクラウドで提供している統合開発環境「mbed」を利用できること。mbedとは、コンパイラやライブラリなどプログラム開発に必要なものをクラウド上のサーバーに用意したもの。
利用者がパソコンのWebブラウザでmbedのサーバーにアクセスすると、ブラウザ上にMicrosoftの「Visual Studio」のような開発環境の画面が現れる。この画面からコードを入力して、コンパイルボタンを押すと、コードをサーバーがコンパイル、ビルドして、バイナリの実行可能ファイルを利用者に返送する。mbedに対応するマイコンボードなどをパソコンにUSBで接続すると、USBストレージのように見える。サーバーから返ってきた実行可能ファイルをボードにコピーして、ボードの電源を入れるとプログラムが動作する。
図 mbedにWebブラウザでアクセスしたところ。コードエディタにコードを入力してコンパイルボタンを押せば、サーバーがコンパイルしてくれる
出所 ソフトバンク
うおーるぼっとLEDはパソコンとUSBで接続可能になっており、mbedを使って開発したプログラムも動作する。背面のLEDの表示パターンを変えたり、走行パターンの指定なども、プログラムを作成することで可能になる。また、3軸加速度センサー、3軸ジャイロセンサー、回転数センサー、反射型フォトセンサーを備えており、各センサーが検出した値を利用したプログラムを作ることも可能だ。
一見、ただのおもちゃに見えるかもしれないが、センサー値に応じた制御など、ロボット制御の基本を学ぶ教材として役立つ製品だ。また、試作品(プロトタイプ)の作成にも便利に活用できる。
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ソフトバンク
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