北陸電力は2018年12月25日、富山市奥井町にある同社の社宅で、電気自動車(EV)、定置型蓄電池、太陽光発電システムと、EMS(Energy Management System)を活用する実証実験を実施すると発表した。実験は2019年1月から開始し、太陽光発電システムの発電状況や世帯での電力使用量に応じて、EVや定置型蓄電池への充放電や家庭用ヒートポンプ給湯器(エコキュート)の稼働状況を遠隔操作し、電力を効率よく利用するための技術とノウハウを確立することを目指す。
図 今回の実証実験で使用する主な機器の構成
出所 北陸電力
実証実験では、社宅に蓄電容量11.1kWhの定置型蓄電池を1台、蓄電容量16kWhの蓄電池を搭載するEV3台と、V2H(Vehicle to Home)に対応する充放電器3台を設置する。北陸地方は、1世帯当たりの自動車保有台数が多いため、EVと充放電器を3台用意したという。さらに、2019年4月以降には出力が4~5kWの太陽光発電システムも追加で設置する。住宅内にはすでにIHクッキングヒーター(消費電力5.8kW)、エアコン(消費電力1.3kW)、エコキュート(1.5kW)が備わっている。
通常時は、EMSで各機器の稼働状態を制御し、電力を効率よく利用することを目指すが、停電が発生し、送電系統からの電力が途絶えたときは、太陽光発電システム、定置型蓄電池、EV内蔵蓄電池からの電力供給を受けて、停電時も引き続き電力を利用可能にする技術とノウハウの確立も目指すとしている。
さらに3台のEVは社宅入居者間でカーシェアリングする。この利用状況などのデータも収集し、将来カーシェアリングサービスを検討する際の基礎データとして活用するとしている。
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北陸電力