鉄道事業者のエネマネを支援するサービス開始
株式会社日立製作所(以下、日立)は、鉄道事業者のエネルギーマネジメントを支援する「鉄道電力分析サービス」を2025年8月28日に開始した(図1)。現場データを分析し、電力運用の最適化を図る。これにより、環境負荷低減とコスト削減の両立につなげるとする。
図1 日立の「鉄道電力分析サービス」では、現場データの分析とそれをもとにしたレポートを提供する
出所 株式会社日立製作所 プレスリリース 2025年8月28日、「鉄道事業者のエネルギーマネジメントを支援する「鉄道電力分析サービス」を提供開始」
消費電力量と回生失効発生を削減
鉄道電力分析サービスは、独自の「鉄道システム統合シミュレーター」を活用し、車両や設備、送電や運行の実績といった現場のデータを統合的に分析する。これにより、個別の事象からでは発見が困難な潜在的な設備・運用面の課題をダッシュボード上で可視化し、原因を特定する。
同シミュレーターは、車両設備、信号設備、運行管理設備、電力設備など、複数の設備の連携を考慮した大規模な鉄道システムを再現するシミュレーターで、車両から取得できる運転記録データが限られている場合でも、運行ダイヤなど既存の運用実績を活用し、データを補完できる。
さらに、日立グループの鉄道インフラの知見を活用し、分析結果にもとづく改善策の検証から施策の導入までを支援する。
提供開始前には、複数の鉄道事業者と協力し、鉄道電力分析サービスの効果検証を実施している。検証では、各車両の消費電力を分析することで、ピーク時における瞬時最大電力注1および全体の消費電力量の削減に有効であることを確認した。また、回生失効の発生状況を分析した結果、その発生を約70%削減できる可能性が示されたという。
今後は、分析環境の高度化や、既存システムと連携した最適な運用計画の立案、状況に応じたエネルギーのリアルタイム制御など、鉄道電力分析サービスの機能拡充を進める。料金は、個別見積もりとなっている。
日立によれば、近年、鉄道業界では気候変動への対応が急務となる一方、エネルギー価格の高騰による輸送コストの増加が経営課題となっている。このような状況下で、鉄道事業者には環境負荷を低減しつつ、経済的にも持続可能な輸送事業を実現することが求められており、鉄道電力に関するオペレーションの改善が不可欠になっている
注1:瞬時最大電力:電力需要において、瞬間的に必要となる最大の電力。電力契約における基本料金に影響する場合がある。
参考サイト
株式会社日立製作所 プレスリリース 2025年8月28日、「鉄道事業者のエネルギーマネジメントを支援する「鉄道電力分析サービス」を提供開始」