最も購入/購入検討中が多いカーボンクレジットは「J-クレジット」(全体の84.2%が回答)
最も購入されている、購入検討中であるカーボンクレジットは「J-クレジット注1」(全体の84.2%)である。そうした調査結果を株式会社exroad(以下、exroad)が2025年5月21日に発表した。
exroadの「カーボンクレジット市場 調査レポート」は、カーボンクレジット市場の需給動向、価格形成の実態、市場課題を分析するため、同市場の需要者や創出関係者(創出検討者も含む)、仲介企業、コンサルティング企業、MRV、VVB、調査会社、制度設計・運営者、自治体、NGO、研究・学術機関、その他従事者を対象に実施した調査結果をまとめたもの。調査の有効回答数は283で、のべ362の回答があった。回答期間は、2025年3月10日~同4月11日。
同調査によると、購入している、購入検討中のカーボンクレジットは、「J-クレジット」が最も多く、全体の84.2%が挙げており、それに次ぐ「JCM(Joint Crediting Mechanism、日本政府による二国間クレジット制度)注2」が36.1%だった。
また、「パリ協定6条4項クレジット注3」は、まだ市場の流通が始まっていないものの、13.3%であり、一定の関心があることがわかった。
図1 購入している、購入検討中のカーボンクレジット
出所 株式会社東京証券取引所 カーボン・クレジット市場整備室 直近のニュース・イベント 2025年5月21日、「カーボンクレジット市場 調査レポート」
「J-クレジットの購入実績・予定」は「購入実績があり、今後の購入予定がある:6か月以内」の割合が最も高く40%で、「同:1年以内」が14%だった。
「J-クレジットの購入目的・使途」は、「Scope1削減への対応」が49%、続く「カーボンオフセット商品・サービスの企画・販売」が44%だった。
GX-ETS 第2フェーズにおける外部からの必要購入量は年間287万トン以上に
政府は、企業が温室効果ガスの排出削減量について目標を設定し、取引を通じて排出量を削減する制度「GX-ETS(排出量取引制度)」を2023年度に導入しており、2026年度には排出量取引市場が本格的に稼働する「第2フェーズ」へと移行する。
同調査によると、第2フェーズにおける外部からの必要購入量(排出枠または適格カーボンクレジット)は、少なくとも年間287万トン以上になる。
また、GX-ETSにおける排出枠の取引価格予測は、2027年時点では「4,001円~6,000円/t-CO2e」が23%と最も多かった。2030年時点では「6,001円以上」が36%と最も多く、将来的に取引価格は上昇すると予測している割合が多い
注1:J-クレジット:省エネルギー設備の導入や森林経営などで削減/吸収した温室効果ガスの量をクレジットとして国が認証する制度
注2:JCM(Joint Crediting Mechanism、二国間クレジット制度):日本が途上国などの温室効果ガスの削減・吸収を資金面や技術面で支援し、その貢献に応じて温室効果ガスの削減・吸収をクレジットとして取得する仕組み。
注3:パリ協定6条4項クレジット:国連が管理している多国間のクレジットメカニズムを規定した「パリ協定第6条4項」にもとづいて発行されるクレジット。
参考サイト
株式会社exroad PR TIMES 2025年5月21日、「カーボンクレジット市場調査2025 価格・需給レポート公開」
株式会社東京証券取引所 カーボン・クレジット市場整備室 直近のニュース・イベント 2025年5月21日、「カーボンクレジット市場 調査レポート」