[ニュース]

木造建築への太陽光設置の課題解消へ、住友不動産グループ

軽量・薄型太陽光パネルを活用した商品開発に向け実証開始
2025/08/15
(金)

軽量・薄型太陽光パネルを屋根に設置する実証実験を開始

 住友不動産株式会社(以下、住友不動産)と住友不動産ハウジング株式会社(以下、住友不動産ハウジング)は、東京電力エナジーパートナー株式会社(以下、東京電力EP)、TEPCOホームテック株式会社(以下、THT)と、軽量・薄型の太陽光パネルを戸建住宅の屋根に設置する実証実験を開始した(図1)。設置場所の制約、初期コストといった太陽光パネルを導入する上での課題を軽減する商品を開発し、これまで新築戸建を中心に展開してきた太陽光発電サービスを既存戸建住宅にまで拡大するのが狙い。2025年8月6日に発表した。

図1 実証でモデルハウスに設置される軽量・薄型太陽光パネルのイメージ

出所 住友不動産 ニュース 2025年8月6日、「住宅太陽光発電サービス「すみふ×エネカリ」超軽量・薄型太陽光パネル設置の実証実験開始」

2026年6月に商品化を計画

 住友不動産と東京電力EPは、2021年から太陽光発電サービス「すみふ×エネカリ」を新築戸建住宅とリフォーム物件に提供している(図2)。しかし、既存の木造戸建住宅への太陽光パネルの導入は、屋根の形状や強度といった設置場所の制約や、耐震補強工事などの初期コストが障壁になっていた。

図2 住友不動産と東京電力EPが提供する太陽光発電サービス「すみふ×エネカリ」の概要

出所 住友不動産 ニュース 2025年8月6日、「住宅太陽光発電サービス「すみふ×エネカリ」超軽量・薄型太陽光パネル設置の実証実験開始」

 4社の実証実験では、東京都武蔵野市と千葉県成田市にある住友不動産のモデルハウス2棟に、軽量・薄型太陽光パネルを屋根に穴を開けずに接着する工法でTHTが設置する。実際の住宅環境下で超軽量・薄型パネルの施工性や長期的な耐久性を確認する。

 あわせて、住宅屋根とのデザイン上の相性や、少発電量が少なく、かつ反射光による眩しさを防ぐ機能(防眩性)が求められる北面設置での変換効率を測定するほか、狭小屋根での効率的な設置について検証する。これらの検証結果を踏まえ、2026年6月の商品化を計画している。将来的には戸建住宅に加えて集合住宅やビルへの展開も検討する。

 太陽光パネルには、株式会社電巧社の「フレキシブルソーラーG+」を採用した。

 今後、住友不動産グループは、本実証を通じて薄型・軽量でデザイン性の高いパネルを商品化し、既存住宅への導入障壁を軽減して、すみふ×エネカリの顧客層拡大を狙う。


参考サイト

住友不動産 ニュース 2025年8月6日、「住宅太陽光発電サービス「すみふ×エネカリ」超軽量・薄型太陽光パネル設置の実証実験開始」

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