第4回:BEAが描くNGNを利用したサービス像
≪1≫サードパーティがカギとなるNGNを利用した新サービス
■NGNを利用したサービスとしてはどのようなものが考えられますか。
高山義泉氏
(日本BEAシステムズ
WLCPビジネスディベロップメント
マネージャ)
高山 NGNでどういうサービスを提供するかという点については、情報機器のベンダだけでなく、家電からオフィス機器などさまざまな企業が興味をもって取り組んでおり、当社もあるパートナー企業と研究を進めています。
図1はデバイス・ベンダ(通信機器や家電機器のベンダ)によるNGNのサービス・イメージです。情報家電を中心としたさまざまなデバイスを、NGNに接続して利用するというイメージです。
NGNによって、今あるデバイスでも、もっと違う使い方ができるかもしれません。例えば、図1の下部にあるような、テレビやSTB(セット・トップ・ボックス)、FAX、プリンタ、ケータイ電話といった家電製品に対して、大容量のデータをQoSを確保した形で送信します。NGNでは、セキュリティも確保できるので、ユーザーのプロファイル情報なども組み合わせると、コーヒーは好きだけれどビールは嫌いといった、個人の嗜好にあったキャンペーン情報の提供や、個人の好みに合わせたコンテンツ配信なども可能です。
本当にちょっとのことなのですけれども、コミュニケーションの進化というのは、ちょっとしたスピード感の違いということによってビジネスが新しく生まれてきていると思います。
■マルチデバイスのサービス例としてはどういうものがありますか。
高山 「らくらくホン」や「キッズホン」のような子供向け、お年寄り向けのデバイスがどんどん出てきていますが、例えば、孫の写真をケータイで撮影し、実家のおじいちゃんのケータイに送付した場合、ケータイだけでなく、テレビなどに出力して大きな画面でも見たいときに、家電をネットワークにつないでプッシュ配信でケータイの写真を他の家電で利用するという使い方が考えられます。このような使い方が、NGN上につながるデバイス群でも可能になり、普及していくと思います。
■そうなると、また新しい形のビジネス・モデルも出てきそうですね。
高山 プッシュ配信をするためのサービスは、すでに通信キャリアが持っています。これに対して、プッシュ配信のサービスを使う企業というのは、宅配ピザ業者や、広告配信業者、通信教育会社といった、通信キャリアとは違うまったく別な企業です。さらに、直接、コンテンツホルダや商品の販売会社が提供するのではなく、配信サービスだけを行う「ポータル・サービス・プロバイダ」のような仲介業者が登場してくるかもしれません。
NGNとサードパーティの企業がつながり、また新しい見え方や新しいビジネス・モデルが出てくると思っています。
こうした新しい流れを実現するソリューションとして、「WLCP」(BEA WebLogic Communications Platform)の「SIP Server」(BEA WebLogic SIP Server)と「Network Gatekeeper」(BEA WebLogic Network Gatekeeper)を提供しています。