≪3≫TD-SCDMAの商用試験サービス開始
〔1〕8都市でTD-SCDMAの商用試験サービスを開始
中国移動は2008年4月1日から、北京、上海、天津、瀋陽、広州、深セン、厦門(アモイ)と秦皇島の8つの都市で正式にTD-SCDMAの商用試験サービスを開始しました。これらの都市の位置を図1に示します。
TD-SCDMAの主な端末メーカーは、聯想、大唐、dopod、ハイアール、華立、華為、竜旗、モトローラ、フィリップス、TCL、Panda、海信、新郵通、中興(ZTE)、サムスン、LGなどです。データ通信用カードのメーカーは中興と大唐です。以下のURLでは、工業情報化部から許可を受けた40種類ほどの最新端末が紹介されています。自動的にスクロールして端末の写真が流れますので、それぞれの雰囲気をわかっていただけるものと思います。
http://www.tdscdma-alliance.org/20080601/index.asp
〔2〕端末はTD-SCDMAとGSMの両方に対応
現在のところ、手に入るTD-SCDMA用の端末は10種類程度で、中国移動の営業所だけで販売されており、従来のように端末だけを購入することはできません。値段は1800から2800元(2万9000円から4万5000円)程度と、従来のGSMの高級端末に匹敵します。これらの端末の特徴は、TD-SCDMAとGSMの両方に対応していることです。端末によって、TD-SCDMAとGSMがそれぞれ異なる電話番号を持つもの、1つの番号をTD-SCDMAとGSMで使えるものがあります。いずれにしても、両方に対応していますから、まだTD-SCDMAの電波が届かない場所にいても、従来のGSM方式の端末として通信することができます。なお、データ通信用カードのほうは、700元(1万1000円)程度の価格です。これらTD-SCDMA携帯電話に対しては、最初の3桁が「157」の番号が割り当てられています。
現在、TD-SCDMA技術の発展や普及を進めるTD-SCDMA産業連盟(※5)では、現在のデータ通信におけるダウンロード速度を348kbpsから2.8Mbps程度まで向上させるため、10都市のTD-SCDMAネットワークに3.5世代のHSDPA方式を加える作業を行っています。また、すでにTD-SCDMA方式の次世代のブロードバンド通信規格であるTD-LTE(TDD方式のLTE)も中国政府に許可されています。この通信実験は、中国移動、ボーダフォン、ベライゾンの3社が共同して行うことになっています。
※5 TD-SCDMA産業連盟:TD-SCDMA Industry Alliance。2004年に結成され、通信機器メーカーや通信サービス提供会社が参加