≪スマートグリッド展2012レポート:前編≫NEDOが海外7拠点で展開するスマートコミュニティ・プロジェクトを全公開!=完成した米国ニューメキシコの「スマートグリッド実証システム」=

インプレスSmartGridニューズレター編集部

2012年6月28日 (木曜) 0:00

「スマートコミュニティが実現する未来」をテーマに、去る2012年5月30日(水)~6月1日(金)の3日間、東京ビッグサイトで「スマートグリッド展2012」(主催:日刊工業新聞社、共催:NEDO)が開催され、出展者数288社、来場者数44,049名(2011年:208社、44,745名)で賑わった(次世代自動車産業展2011展などを併設)。
今回は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が国際的に展開する7つのスマートコミュニティ・プロジェクトを全公開。とくに2012年5月に米国ニューメキシコ州のプロジェクトの実証システムが完成し、紹介されたこともあって、多くの来場者の注目を集めた。また、スマートハウスの中核的な装置「HEMS」の標準インタフェースとなったECHONET Lite対応の製品や、標準化されたばかりの新しいスマートメーター用IEEE 802.15.4g(SUN:Smart Utility Network)規格対応の製品などが登場。さらに今後スマートメーターなどの普及を予測して、920MHz帯の周波数が2012年7月25日から全面開放されることもあって、これらに対応した製品の展示デモも行われた。このようなことから、「スマートグリッド展2012」は、新しいスマートグリッド/スマートコミュニティ時代の到来を感じさせるものがあった。ここでは、前編と後編に分けて、主なトピックを紹介しよう。

≪1≫NEDO①:太陽光発電から電気自動車(EV/PHV)までの多彩な活動を紹介

日本最大のスマートグリッド関連の研究開発組織であるNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構。図1。注1)は、「スマートグリッド2012展」で、同機構の多くの成果を披露し、参加者から注目を集めた。

NEDOブースでは、まず、図2に示すように、NEDOが取り組んでいるスマートコミュニティに向けた多彩な活動を紹介し、太陽光発電や風力発電からゼロエミッションビル、電気自動車(EV/PHV)までの取り組みを整理してアピールした。


(注1)NEDO:New Energy and Industrial Technology Development Organization、経済産業省所管の独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構。2003年10月設立(※前身の特殊法人は1980年設立)。本部は神奈川県川崎市。再生可能エネルギーを含む新エネルギーや省エネルギー技術の開発と、その実証実験や導入を促進して普及させ、新エネルギーの利用分野の拡大や省エネルギーを推進し、エネルギーの安定供給と地球環境問題の解決を目指している。JSCA(スマートコミュニティ・アライアンス)の事務局でもある。



図1 日本最大のスマートグリッド関連組織「NEDO」のミッション(クリックで拡大)
図1 日本最大のスマートグリッド関連組織「NEDO」のミッション

図2 NEDOブースでは、スマートコミュニティに向けた太陽光発電や風力発電からゼロエミッションビル、電気自動車(EV/PHV)まで幅広い活動を紹介(クリックで拡大)
図2 NEDOブースでは、スマートコミュニティに向けた太陽光発電や風力発電からゼロエミッションビル、電気自動車(EV/PHV)まで幅広い活動を紹介

≪2≫NEDO②:NEDOが海外7拠点で展開するスマートコミュニティ・プロジェクト

今回のNEDOの展示の中で特に注目を集めたのは、図3、図4に示すように、NEDOが現在推進している次の海外の7つの拠点、すなわち、

(1)米国ニューメキシコ州・ロスアラモス郡/アルバカーキ市
(2)米国ハワイ州・マウイ島
(3)フランス・リヨン
(4)中国・江西省
(5)スペイン・マラガ
(6)インドネシア・ジャワ島
(7)マレーシア・プトラジャヤ市/サイバージャヤ市

で展開するスマートコミュニティ・プロジェクト(海外実証事業)である。

このプロジェクトを通して、日本のスマートグリッド技術を海外市場へ展開し、その実証を通して国際競争力を強化しながら、国際標準化への積極的な取り組みが行われている。


図3 NEDOが海外で展開する7つのスマートコミュニティ・プロジェクトの展示は、参加者から大きな注目を集めた(クリックで拡大)
図3 NEDOが海外で展開する7つのスマートコミュニティ・プロジェクトの展示は、参加者から大きな注目を集めた

図4 NEDOが海外の7拠点で展開するスマートコミュニティ・プロジェクトのマップ(クリックで拡大)
図4 NEDOが海外の7拠点で展開するスマートコミュニティ・プロジェクトのマップ

≪3≫NEDO③:米国ニューメキシコ州の「スマートグリッド実証」の設備が完成!

次に、世界の7つの拠点で展開されているスマートコミュニティ・プロジェクトのうち、NEDOが最初に着手した米国のニューメキシコ州の例を紹介しよう。

〔1〕スマートハウスとスマートビルの両面からの実証

この米国ニューメキシコ州でのプロジェクトは、2010年度からスタートし、2013年度末までの4年の実証期間であるが、会場では、本年(2012年)5月17日に完成した「ニューメキシコスマートグリッド実証事業」の設備システムも紹介され、参加者から大きな反響を呼んでいた。

このニューメキシコスマートグリッド実証事業(図5)は、

(1)ニューメキシコ州・ロスアラモス郡(人口:56万人、標高2200m)では、住宅エリアにおけるスマートグリッド&スマートハウス「NEDOハウス」の実証

(2)ニューメキシコ州・アルバカーキ市(75万人、標高1600m)では、商業地域(スマートビル)におけるスマートグリッドの実証

というように、2カ所で「スマートハウス」(ロスアラモス)と「スマートビル」(アルバカーキ)の実証実験が行われている。

その基本コンセプトは、日米のエネルギー協力のもとに、ニューメキシコ政府、米国

国立研究所、地元の電力会社などの現地機関と共同で、太陽光発電を大量導入した場合の出力変動を吸収し、安定した系統電力を供給することを目指した先進的なスマートグリッド&スマートハウスの実証事業である。

〔2〕ロスアラモス郡とアルバカーキ―市のシステム構成

具体的には、図6に示すように、ロスアラモス郡の「NEDOハウス」と呼ばれるスマートハウスには、3kWの太陽光発電(PV)、24kWhの蓄電池、ヒートポンプ給湯器、HEMS(Home Energy Managemennt System、家庭用エネルギー管理システム)、スマートメーターなどが設置され、リアルタイムプライシング(リアルタイム料金)によるデマンドレスポンス(電力需要の制御)などの実証が行われている。図7に、ロスアラモス郡におけるスマートハウスのイメージを示す。


図5 米国ニューメキシコ州におけるスマートグリッド実証事業の展開(クリックで拡大)
図5 米国ニューメキシコ州におけるスマートグリッド実証事業の展開

図6 米国ニューメキシコ州・ロスアラモス郡におけるシステム構成(クリックで拡大)
図6 米国ニューメキシコ州・ロスアラモス郡におけるシステム構成

図7 ロスアラモス郡におけるスマートハウスのイメージ図(クリックで拡大)
図7 ロスアラモス郡におけるスマートハウスのイメージ図

一方、図8に示すスアルバカーキ―市のスマートビルには、100kW程度の太陽光発電(PV)やガスエンジンコジェネ、燃料電池、蓄熱槽、BEMS(Building Energy Managemennt System、ビルエネルギー管理システム)などが設置され、東日本大震災以降、日本でも注目されている自律運転も可能なスマートビルの実証が行われている。

この米国ニューメキシコス州のマートグリッド実証事業では、表2に示すように、

(1)日本側パートナー23社
(2)米国側パートナー9社

などの多彩な企業・組織が協力し、連携して実施されている。この事業は、NEDOの海外におけるスマートコミュニティ事業のうち、最初の実証運転に入るケースであることから、大きな期待が寄せられている。


図8 米国ニューメキシコ州・アルバカーキ市におけるシステム構成(クリックで拡大)
図8 米国ニューメキシコ州・アルバカーキ市におけるシステム構成

表1 米国ニューメキシコ州・ロスアラモス郡/アルバカーキ市のプロジェクト実施体制
日本側パートナー(23社)米国側パートナー(9社)
NEDOシャープ富士電機KYOCERA Solar,Inc
NTTファシリティーズ電気安全環境研究所古河電気工業Messa del Sol(開発業者)
アクセチュア電力中央研究所古河電池PNM(電力会社)
伊藤忠商事東京瓦斯三菱重工業Shimizu North America LLC
伊藤忠テクノソリューションズ東京工業大学明電舎Toshiba International Corporation
関電工東芝サンディア国立研究所
京セラ日本ガイシニューメキシコ州立大学
サイバーディフェンス研究所日本電気ニューメキシコ州立大学
清水建設日立製作所ロスアラモス国立研究所

(つづく)

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≪スマートグリッド展2012レポート≫

≪前編≫NEDOが海外7拠点で展開するスマートコミュニティ・プロジェクトを全公開!
=完成した米国ニューメキシコの「スマートグリッド実証システム」=

≪後編≫ECHONET Lite対応の「HEMS」/スマートメーター用「IEEE 802.15.4g」規格の製品が続々登場!

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