平時におけるAP活用のケース
平時の際のAP活用は、次のように想定される。
- 個人では、既存のWi-Fiルータと同様に使用する。
- キャリアはホットスポットとしてユーザーにサービスを提供する。
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商店街などでは、エリアに特化した付加価値情報のプッシュ、プルサービスを提供。位置情報も活用し、より地域に密接したサービス提供へのプラットフォームとしての利用ができる。
また、ブロードキャスト(放送型)機能を使い、動画をはじめとするリッチな情報宣伝活動も可能である。
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自治体での業務や地域行事、教育、厚生などに使用する。
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帯域貸出機能を使い、未使用帯域を第三者に貸し出すことによって新たな広告ビジネスを促進させる。
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帯域貸出機能によって、物品販売や来場などの実利益を得た事業者は、貸出者に対して報酬を支払うアフィリエイト的な仕組みを成立させ、“新価値”を提供する。
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帯域貸出機能によって、スポットからエリアへの拡充機会を増進させる。
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帯域貸出機能によって、町内会や商工会などの私設のネットワークコミュニティを確立し、情報提供や意見交換などコミュニティ活動の活性化に貢献する。
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以上のような、災害・有事のAP活用をも視野に入れたWi-Fi通信網が整備された例は、現在存在していないが、神奈川県川崎市では2014年5月から「川崎市公衆無線LAN環境整備検討委員会」を設置し、川崎市主導でWi-Fi通信網の拡充を計画している。(図3)
図3:市内のどこでも「かわさきWi-Fi」が利用できる環境イメージ
〔出所 第1回:川崎市公衆無線LAN環境整備検討委員会http://www.city.kawasaki.jp/160/cmsfiles/contents/0000058/58596/1_wifi_k...〕
同委員会の試算では約2万台のAP整備が整えば、川崎市全域をWi-Fi通信網がカバーするとされている。
インフラと技術との活用については、いくつかのアイディアがあるので、本誌「SmartGridニューズレター」や本誌のWebサイト「SmartGridフォーラム」で記事を掲載して行く予定である。