Bルートの開放で可能となるクラウドプラットフォームとの連携
スマートメーターと家庭やオフィスのエネルギー管理システム(例えばHEMS/BEMS)を結ぶBルートに関しては、Bルートで取得したメーターデータを蓄積するための柔軟かつ堅牢性の高いクラウドシステムが有効となってくる(図2)。
図2 Bルート経由でデータ取得のために必要となる要素
〔出所 2015年2月19日記者会見発表資料をもとに加筆〕
ISP・クラウド事業者として多くの企業へインフラを提供し、運用実績もあるIIJは、自社のもつ機器やネットワーク、クラウドまで、トータルでサービスを提供する仕組みをもともと備えている。
このような背景から、これらを活用した、スマートメーター活用プラットフォームが開発された。「Bルート」を介して、家庭やオフィスなどの需要家と新電力やサービスプロバイダなどの電力小売事業者向けに、オープンなプラットフォームでサービスを提供するとしている。
同社の狙いとポジショニングは、図3の通りで、ターゲットとする顧客は、主に、
- Bルート活用を検討しているさまざまなビジネスユーザー
- Bルート経由でビジネスに必要なインフラ、プラットフォームを提供している企業
を挙げている。
図3 IIJの電力自由化市場における狙いとポジショニング
〔出所 2015年2月19日記者会見発表資料より〕
スマートメーター活用プラットフォームの3つのシステム要素
ここで、IIJが開発した「スマートメーター活用プラットフォーム」について、具体的に見ていこう。
同プラットフォームは、
(1)スマートメーターと接続して電力データを取得する、サービスアダプタ「SA-W1」
(2)(1)のアダプタを自動接続、集中管理するシステム「SACM」(Service Adaptor Control Manager)
(3)SA-W1からの検針データを蓄積するクラウドシステム「PMS」
の3つの要素で構成される(図4)。
図4 PMSサービスプラットフォームの提供イメージ
〔出所 2015年2月19日記者会見発表資料より〕
(1)のSA-W1はBルートで言えばHEMS機器に相当し、これと(2)のSACMは、IIJがすでに展開している製品でありシステムである。