今後の展開:トヨタ、日産、ホンダの3社が水素ステーションの整備促進
今後、燃料電池自動車が普及するうえでは、魅力ある商品の提供はもとより、水素ステーションなどのインフラの整備が大きな課題のひとつである。このため、トヨタ、日産、ホンダの自動車メーカー3社は、燃料電池自動車用の水素ステーションの整備促進に向けた支援策を検討し、今後、共同で取り組むことに合意した注10。
一方、政府は、2014年6月に策定した「水素・燃料電池戦略ロードマップ」注11を踏まえ、燃料電池自動車の普及のためには水素ステーションの整備が早急に必要であるとして、補助金による水素ステーションの設置支援に加え、燃料電池自動車の新たな需要創出活動を推進するために水素ステーションの運営支援などを含む施策の拡充を決定した。3社はこうした状況を考慮して、燃料電池自動車の普及を後押しするため、政府およびインフラ事業者だけではなく、政府の補助金による支援のもとで、自動車メーカーとしても、このロードマップの実現に向けて、水素ステーションの整備促進に取り組むことが必要であると判断した。今後、水素ステーションの運営に関する費用の一部負担などの具体的活動の検討を進めていくことになった。
日本は2020年に東京オリンピック・パラリンピックの開催が予定されているが、東京都はこれに備えて、燃料電池バスを導入する意向もある。
5年後の2020年までに、水素に関する製造、輸送・貯蔵から水素ステーションに至るまでのサプライチェーンがどのように進展し、燃料電池自動車の普及を加速することができるか。日本がリードしている「自動車の次の100年」を担う究極のエコカー「燃料電池自動車」(FCV)には、世界から大きな期待が寄せられている。
▼ 注10
2015年2月12日、自動車メーカー3社、水素ステーションの整備促進に向けた共同支援に合意(http://newsroom.toyota.co.jp/jp/detail/6056349/)
▼ 注11
水素・燃料電池戦略協議会「水素・燃料電池戦略ロードマップ〜水素社会の実現に向けた取組の加速〜」、平成26(2014)年6月23日、http://www.meti.go.jp/pr