今後のoneM2Mのロードマップ
ここまでoneM2Mの全体的な動向を見てきたが、今後oneM2Mはどのように展開されていくのだろうか。図6にそのロードマップを示す(図6)。
図6 これまでのoneM2Mの活動
〔出所oneM2mSteeringCommitteeMeeting#1,24-26July2012,Seattle〕
oneM2Mが設立されるまでの準備期間である2011年7月から2012年3月の間に、4回(ソウル、ワシントン、ベルリン、東京)のSDO会合が開催されてきた。その間、電話会議でのバチャルミティングも何回か行われ、oneM2M設立の調印式と第1回運営委員会が、米国のベルビュー市で2012年7月24日〜26日に開催された。
また、各種のフォーラムやアライアンス、標準化団体との拡大ミーティング(バーティカルの招待およびミーティング)を数回(M1〜M6)行い、oneM2Mのような組織を発足させるための共同声明や合意づくりが行われた。このような準備の下に2012年7月24日(現地時間)に、oneM2Mが正式に発足し、第1回の運営委員会が開催(2012年7月24日〜26日)されたのである。
図6に示すように、第1回技術総会(TP)と第2回の運営委員会が、2012年9月24日〜28日の5日間、ETSIの本部があるフランスのニースで開催された。今後、第2回技術総会(TP)は、2012年12月10日〜14日の5日間、中国のCCSAがホスト役で北京で開催される予定となっている。
oneM2Mの第1回技術総会では、WG(1要求条件)、WG2(アーキテクチャ)の設立が合意され、今後作成する仕様のベースラインがETSI、TIA、TTA、CCSAから入力された。
さらに、2013年内にリリース1の仕様を作成することも合意された。なお、他のWGの設立、TP/WGのリーダーシップの選挙は次回12月のTP#2以降に行われる。
さらに2013年は表4の開催が予定されている。
表4 2013年のTP(技術総会)の開催スケジュール
どこにM2Mのビジネスチャンスがあるか?
M2Mサービスはホームネットワーク、自動車・交通、健康管理(ヘルスケア)、施設管理、安全・安心、農業などなど、あらゆる分野で利用が考えられ、M2Mのビジネスチャンスはこれからさらに拡大していくことが予想される。例えば、世界中の高齢化社会の進展に伴い、e-Healthの分野については日本から新しいビジネスが出てくることが期待され、TTCでもすでにe-HealthWPを立ち上げ、会員企業各社とこの分野のビジネスチャンスの研究に取り組んでいる。
また、自動車に関連するモビリティ(移動環境)の中での各種サービスも今後、大きなマーケットとなることが期待される。例えば、ITS(高度交通情報システム)や交通機関とスマートエナジーと結びつく分野などが挙げられる。さらには、ヘルスケアとホームネットワークとモビリティを結びつけた統合的・複合的なサービスが期待される。そのほか、スマートホーム〜スマトシティ、衣・食・住に関するサビス、耐災害や広い意味の安全・安心など、日本だけでなく、世界のさまざまな環境にいる人々の幸せと、それを実現するICTの観点から新しいビジネスチャンスが生まれる。(終わり)