◆現在懸念されているセキュリティ課題⑤
考えられる主なサイバーセキュリティ脅威
情報通信分野のインフラや技術を、積極的に利活用した電力系統分野の特性を考慮したうえで、考えられる主なサイバーセキュリティの脅威を挙げると、図1、表1のようになる。
図1 考えられる主なサイバーセキュリティ脅威の例
〔出所 CDI作成〕
表1 主なサイバーセキュリティの脅威
◆現在懸念されているセキュリティ課題⑥
考えられる需要家のプライバシー問題
スマートメーターおよびその管理システムが扱う情報は、需要家(家庭等)における詳細な電力消費データである。この電力消費データは、一般家庭の場合、居住者の生活サイクルやパターンを示すものとなる。
これが不用意に外部に漏洩すると、第三者がその居住者に関して時間ごとの在宅の有無を把握できることになるため、住居と居住者の安全上の問題が発生する。
例えば図2は、ある米国の一般家庭における24時間の家電機器の利用状況と電力使用量の推移を示している。この図から、住民の生活パターンが把握できてしまい、一部の第三者にとっては、利益を発生させる情報になる可能性がある。
図2 米国の一般家庭の電力使用状況の例
〔出所 NIST、「Guidelines for Smart Grid Cyber Security: Vol.2, Privacy and the Smart Grid」( http://csrc.nist.gov/publications/nistir/ir7628/nistir-7628_vol2.pdf )をもとにCDI作成〕
また、製造工場などの場合は、電力消費データによって、製造および業務プロセスに関する内部情報が類推される可能性がある。