中部電力が東京電力管内で事業参入

インプレスSmartGridニューズレター編集部

2013年9月1日 0:00

地域独占だった電力会社「中部電力」が、初めて新電力(特定規模電気事業者)を経営し、自社区域を越えた東京電力管内での電力販売事業に参入する。中部電力は2013年8月7日、三菱商事から同社の100%子会社「ダイヤモンドパワー」の株式の80%を取得することで合意した。10月に株式を買い取り、子会社化する。また同社は、三菱商事および日本製紙と、10万kW級の石炭火力発電設備を静岡県富士市の日本製紙富士工場敷地内に建設し、同設備を運営する発電事業会社(新会社)を設立することも発表した。

中部電力が事業継続をするダイヤモンドパワーは、首都圏で契約電力50kW以上の大口需要家(オフィスビルや病院、百貨店など)に電力を供給している新電力だ。今後同社は、新会社から仕入れた電気をベースに、電力卸売・小売を実施し、収益基盤を拡大するとしている。

一方、政府は2016年をめどに電力小売りの全面自由化を進めているが、先の福島第一原子力発電所事故のさまざまな影響で、東電の原発再稼働は厳しい状況が続き、その電力供給力が懸念されている。そのようななか、中部電力は発電量に占める原発の依存度が約15%と低く、そのうえ世界最大級の410万kWの碧南(へきなん)火力発電所(愛知県碧南市)をもっている。同社のこの決断は、新時代に向けた電力事業拡大のチャンスであると同時に、地域独占状態の電力会社同士の競争の口火を切ったことになる。

図 中部電力が開始する新事業の概要

図  中部電力が開始する新事業の概要

〔出所 http://www.chuden.co.jp/corporate/publicity/pub_release/press/3225133_6926.html

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