6月の通常国会で否決された電気事業法の改正案が、11月1日に衆議院、11月13日に参議院の本会議において賛成多数で可決、成立した。
電力システム改革は3段階で進められるが、今回の法改正で、まず全国規模で電力需給を調整する第1段階の「広域系統運用機関」の2015年の設立に向けて始動する。
続く第2段階では2016年に電力小売りの参入を全面自由化して「地域独占」をなくし、最後の第3段階では2018〜2020年に電力会社の発電と送電部門を別会社にする「発送電分離」を実現する。
今改正を受けて設立される「広域的運営推進機関」は、災害などで電力需給がひっ迫した際に、余剰電力のある地域から不足している地域へ全国規模での需給調整を促す権限をもつ。
現在の電力制度ができた1951年以来の抜本改革となる今回の改正案は、電力会社による地域独占体制を崩し、電力事業への新規参入や電力会社同士の競争を促すオープンな土俵をつくることになる。また、われわれ消費者にとっては、サービスの選択肢が広がり、電気料金をできるだけ安く供給できるという期待が膨らむ。