三井不動産株式会社は、千葉県柏市の「柏の葉スマートシティ」において、太陽光発電や蓄電池などの分散電源エネルギーを街区間で相互に融通するスマートグリッド(マイクログリッド)を、2014年7月から段階的に運用開始すると発表した(2014年4月24日)。これは自営の分散電源や送電線を使い、公道をまたいで街区間で電力相互融通を行うシステムであり、スマートグリッドの運用としては、日本初のケースとなる。 地域エネルギーの中核システムは、日立製作所が三井不動産および日建設計と共同開発した「柏の葉AEMS」。これによって、エリア一帯に分散するオフィスや商業施設、ホテル、住宅などの各施設と、太陽光発電や蓄電池などの電源設備をネットワークでつなぎ一元管理する(図参照)。さらに、シャープとともに「柏の葉HEMS」も開発し、住戸内のエネルギーを管理する。 本誌特集1「仙台マイクログリッド」においても、地域に分散設置した発電・蓄電システムが、甚大な被害をもたらした東日本大震災時でも電力を供給し続けたなど、災害に強いことが見直され注目されている。今後、各自治体が目指す街づくりにおいて、分散電源の重要性は大きな指標となり始めた。
◆図出所
http://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2014/0424_02/index.html
(注)AEMS:Area Energy Management System、エリアエネルギー管理システム