Wi-SUNを拡大する機器および関連技術
▲ローム(株)は、スマートメーターのみではなく、あらゆる機器にWi-SUN通信を実現可能な汎用無線通信モジュール「BP35A1」を展示。同製品はWi-SUNアライアンスからの認証を取得しており、ラピスセミコンダクタの無線通信LSI「ML7396B」を採用し、高品質の通信が可能となっている。
▲ (株)スカイリー・ネットワークスは、MAC層に802.15.4eを多重搭載したWi-SUN対応プロトコルスタックSKSTACK IP v3.0を展示。従来、HEMSコントローラは、スマートメーターと通信するBルート用と、家電と通信するホームネットワーク用に2つのモジュールを必要としていた。しかし、同製品は、MAC層およびそのほかの必要なソフトウェアコンポーネントを920MHz帯無線チップセット上で多重化しているため、1チップで両方の処理が実現できる。右図のレイヤ図に記載されているPANA(パナ)とは、Protocol for carrying Authentication for Network Accessのことで、次世代のネットワークアクセス認証プロトコルを指す。
▲ Wi-SUNアライアンスの設立メンバーであるアナログ・デバイセズとルネサスエレクトロニクスは、ルネサスエレクトロニクスのマイコンRX63Nとソフトウェア、アナログ・デバイセズのRFトランシーバADF7023-Jの組み合わせと、ルネサスエレクトロニクスのマイコンRL78とアナログ・デバイセズのADF7023-J、日新システムズのソフトウェアの組み合わせによるWi-SUN ECHONET Liteプロファイル対応スタック同士で通信デモを行い、構成する製品が異なっても、相互接続が可能であることを示した。
▲ Wi-SUN規格を開発したNICT(情報通信研究機構)ブースでは、Wi-SUN無線機を搭載したガスメーターからの情報をグラフとして表示するデモや、USB端子付きのWi-SUN無線機を使用し、一方のパソコンのCPU負荷をもう一方のパソコンに通知するデモを行い、Wi-SUNの適応性を紹介。
▲ また、NICTは、実証実験を行っている農場に設置したセンサーで得た温度や湿度のデータを、Wi-SUNを利用してクラウドへ収集して表示するデモも展示。写真はセンサーからの情報を集積し、クラウドに送信するコンセントレータ(データ集約装置)。
▲ テュフ ラインランド ジャパン(株)は、同社の認証試験について講演。同社は、すでにWi-Fi、Bluetooth、Wi-SUN、ZigBee、G3-PLC、OpenADRの認定試験所に指定されている。スマートグリッドは、エンドデバイスまでインフラになるものであるため、それぞれの責任団体が、「完全なインターオペラビリティを確保するためのテスト仕様の策定」「完全に適合性と相互接続性をクリアしたゴールデンユニットの選定」「完全なゴールデンユニットとテストツールを使った認証試験」「マルチベンダが参加するインターオペラビリティのテストイベント」を認証プログラムに盛り込むことが重要だと説明した。
〔出所 テュフ ラインランド ジャパン資料より〕
▲ アンリツ(株)は、Wi-SUN対応機器の試験装置を展示。Wi-SUNアライアンスからPHY(物理層)規格の認証試験装置として認定されたスペクトルアナライザのMS2830Aおよびベクトル信号発生器 MG3710A(写真右の右側)をはじめ、Wi-SUN PHYテストシステムのME7050A(写真右の左側)や、Wi-SUNプロトコルテストユニット(CN7307A)とシステム(ME7051A)など(写真左)を紹介。同社では、Wi-SUNとECHONET Liteに関して、PHY層からアプリケーション層までのすべてのレイヤに対して試験・測定ソリューションを提供している。
▼ 注1
Wi-SUN:Wireless SUN(Smart Utility Networks)、無線によるスマートメーター通信を行うための無線通信規格。Wi-SUNプロファイル(機能仕様)は、IEEE 802.15.4g/4eをベースに、Wi-SUNインタフェース部として、トランスポート層セキュリティのほか、トランスポート層、ネットワーク層、アダプテーション層などのプロファイルを定義している。2012年1月に設立されたWi-SUNアライアンスは、Wi-SUN通信技術を搭載する製品の相互接続性について認証を行っている。