[トピックス]

NEDO、ドイツで太陽光パネル・蓄電池などによる住宅用システムの実証運転を開始

2016/07/01
(金)
SmartGridニューズレター編集部

NEDOは、「ドイツにおけるスマートコミュニティ実証事業」(注1)において、太陽光パネル、蓄電池、ヒートポンプ、HEMSを組み合わせたシステムの構築が完了し、実証運転を2016年5月30日(現地時間)から開始した。

 NEDOは、「ドイツにおけるスマートコミュニティ実証事業」注1において、太陽光パネル、蓄電池、ヒートポンプ、HEMSを組み合わせたシステムの構築が完了し、実証運転を2016年5月30日(現地時間)から開始した(図参照)。

図 「ドイツにおけるスマートコミュニティ実証事業」のイメージ

図 「ドイツにおけるスマートコミュニティ実証事業」のイメージ

出所 http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100576.html

 同事業では、ドイツ・ラインラント=プファルツ州シュパイヤー市内の集合住宅(2棟×16戸)を実証サイトとして、日本の蓄電技術、ヒートポンプ温水器による蓄熱技術、情報通信技術を組み合わせて、太陽光発電の自家消費率を向上するシステムを構築し、需要家の経済的なメリット拡大や電力系統の安定運用に貢献するモデルを確立する。

 現在、ドイツは電力需要の20%以上を再生可能エネルギーでまかなっており、2020年には35%、2050年には80%にする目標を掲げているが、太陽光発電のコスト低減に伴い、すでにグリッドパリティ注2が成立しており、固定価格買取制度(FIT)が事実上終了している。このため、太陽光発電設備を設置した需要家が、太陽光発電による発電電力を電力会社に売電するメリットが失われた状況になっている。

 また、太陽光発電からの逆潮流は、配電線の容量制約や配電系統の電力品質低下の観点から受け入れられにくく、すでにインバータの出力抑制を住宅用太陽光発電設備にも課している。これらのことから、太陽光発電による発電電力を極力、自家消費し、電力会社に売電しないシステムを構築することが喫緊の課題となっている。


注1 NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)、(株)NTTドコモ、(株)NTTファシリティーズ、日立化成(株)、(株)日立情報通信エンジニアリングによる共同実証。2018年3月までの約2年間の実証。

注2 グリッドパリティ:再生可能エネルギーの発電コストが、電力系統から購入する電気料金と等しくなること。

関連記事
新刊情報
5G NR(新無線方式)と5Gコアを徹底解説! 本書は2018年9月に出版された『5G教科書』の続編です。5G NR(新無線方式)や5GC(コア・ネットワーク)などの5G技術とネットワークの進化、5...
攻撃者視点によるハッキング体験! 本書は、IoT機器の開発者や品質保証の担当者が、攻撃者の視点に立ってセキュリティ検証を実践するための手法を、事例とともに詳細に解説したものです。実際のサンプル機器に...
本書は、ブロックチェーン技術の電力・エネルギー分野での応用に焦点を当て、その基本的な概念から、世界と日本の応用事例(実証も含む)、法規制や標準化、ビジネスモデルまで、他書では解説されていないアプリケー...