米国各州におけるグリッド・モダナイゼーションの進展度合い
〔1〕グリッド・モダナイゼーション指標
ここまで見てきた国としての取り組みと平行して、GridWise Alliance(グリッドワイズ・アライアンス)は、米国のスマートグリッド関連ソリューションの普及を目的に、2003年に立ち上げられた団体である。この団体が2013年から毎年公表しているGrid Modernization Index(グリッド・モダナイゼーション指標)という調査結果がある。
これは次の3つの観点から米国の各州のグリッド・モダナイゼーションの取り組み状況を点数化し、順位付けをしているものである。
- 州のサポート(State Support):グリッド・モダナイゼーションに関する政策や計画等の実施状況
- 顧客エンゲージメント(Customer Engagement):顧客とのコミュニケーションや情報共有の実施度合い、料金設定など
- グリッド運用(Grid Operations):AMIやセンサー、蓄電池やマイクログリッドなどの導入度合い
このような観点から評価をした最新版は、2015年6〜10月の調査期間を経て、2016年1月に公表された。その結果のうち指標が高かった上位10州をまとめたものが図2である。
図2 2016年のGrid Modernization Indexの上位10州(丸数字が順位)
〔2〕カリフォルニア州が第1位
レポートによれば、1位のカリフォルニア州は100点満点中87.8点を獲得し、グリッド・モダナイゼーションが最も進んでいる州として評価された。
先に挙げた3分野の中では、もっとも高かったのが(2)の顧客エンゲージメントの部分で、多様な料金体系を整備している点や顧客とのコミュニケーションを、さまざまな手段で行っている(メールやTwitterなどを含む)点、顧客が自分のデータを入手しやすくなっている点などが評価されている(図3)。
図3 顧客エンゲージメントが上位だったトップ10の集計結果(カリフォルニアが第1位)
出所 http://cleanedge.com/reports/3rd-Annual-Grid-Modernization-Index
(つづく)