IoT向けLPWAのサービス開始
IoT時代を迎えて、前述したVPPを構成する各機器(通信モジュール内蔵)の接続をはじめ、電気・ガス・水道のスマートメーターの遠隔監視、スマートシティなどにおける街灯の管理、交通量の観測(図2)などを経済的に実現するには、各種センサーやIoTデバイスを低価格で省電力、かつ長距離での通信が可能となる新しい無線通信技術が求められている。このようななか、IoT向けの次世代無線通信規格として、LPWA(Low Power Wide Area、省電力型広域無線網)が登場してきている(本誌2016年11月号、12月号、2017年1月号で特集)。
図2 IoT時代を牽引する次世代無線通信網「LPWA」のイメージ
出所 NTT西日本:報道発表資料「IoT向けLPWAネットワークのフィールドトライアルの実施について」、2016年6月29日、http://www.ntt-west.co.jp/news/1606/160629a.html
日本では、2017年2月から京セラコミュニケーションシステムがSIGFOXのサービスを、3月からソフトバンクがLoRaWANのサービスを開始するなど、LPWA関連のサービスが開始される予定であり、大きな期待が高まっている。
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ここまで見てきた大きな流れを図3に整理してみた。
図3 2017年以降の電力・ガス・通信(LPWA)のロードマップ
KCCS:京セラコミュニケーションシステム、SB:ソフトバンク 出所 資源エネルギー庁「電力・ガス・熱システム改革について(報告)」をもとに、編集部作成、http://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/017/pdf/017_007.pdf
2017年は、まさに「エネルギー」と「IoT」の融合が始まる元年となる。