[クローズアップ]

ソラコムのIoT通信プラットフォーム「SORACOM」の戦略

― 世界初のマルチLPWA通信事業者を目指す ―
2017/08/10
(木)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

ソラコムのSPS認定済パートナーは74社へ

 ここで、ソラコムのパートナー制度を紹介しておこう。

 ソラコムは、「SORACOM」を推進するため、パートナー・プログラムとしてSPS(SORACOM Partner Space、SORACOMパートナースペース)を推進している。このSPSを利用して、IoTシステムを導入しようとしているユーザーは、各種の相談や依頼をすることによって、スムーズにIoTシステムを構築することが可能となる。

 SPSは、表4に示す4つのカテゴリーに分けられており、現在パートナーの申請数は350社を超えているが、ソラコムが実際に認定したSPS認定済パートナーは、表4に示す74社となっている(2017年7月4日現在)。

表4 SPS(SORACOM Partner Space):認定済パートナー(2017年7月5日現在)

表4 SPS(SORACOM Partner Space):認定済パートナー(2017年7月5日現在)

出所 ソラコム「SORACOM Conference “Discovery」、2017年7月5日などをもとに編集部作成

LoRaWANからSigfox、ソニーのLPWAへも

 さらにソラコムは、2017年2月からのSORACOM Air for LoRaWANの提供に続いて、Sigfox、ソニーのLPWAなどにも対応すると発表し、世界でも初めてのIoT時代のマルチLPWA通信事業者として、そのビジネスを拡大している。

(1)2017年2月:「SORACOM Air for LoRaWAN」(SORACOMをLoRa-WANに対応させるサービス)を発表注8

(2)2017年7月5日:「SORACOM Air for Sigfox」〔SORACOMへ、KCCS注9が提供している「Sigfox」を対応させるサービス〕を発表(図3)、

図3 SORACOM(IoT通信プラットフォーム)にSigfoxを対応させた構成例

図3 SORACOM(IoT通信プラットフォーム)にSigfoxを対応させた構成例

出所 ソラコム「SORACOM Conference “Discovery」、2017年7月5日

(3)2017年7月5日:「ソニーのLPWA」(詳細は本誌2017年7月号参照)に「SORACOM」を連携させ、2017年7月からIoT広域通信ネットワークの実証実験を開始注10

 図3は、「SORACOM」をSigfoxに対応させたイメージである。参考までに、図3には前出の表2に示したSORACOMのサービス「SORAKOM Funnel」「SORA-COM Inventry」「SORACOM Junction」が適用される場所も示している。


▼ 注8
https://soracom.jp/press/2017020701/

▼ 注9
KCCS:京セラコミュニケーションシステム株式会社。Sigfoxは、KCCSによって日本で2017年2月から提供されたサービス(LPWA)。順次サービスエリアを拡大し、2018年3月までに全国主要都市に、2020年3月までに全国に展開される計画。Sigfoxは、フランスのSigfox社(シグフォックス社)が開発し、提供するIoTネットワーク(LPWA)。

▼ 注10
https://soracom.jp/press/2017070504/

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