ソラコムは2017年2月22日「SORACOM Air for セルラー」の通信サービスをイギリス、ドイツ、スペイン、フランス、イタリアのヨーロッパ5カ国で提供すると発表した。2月27日の12:00(西ヨーロッパ時間、グリニッジ標準時+1)からサービス提供を開始する。通信に必要なSIMカードも「SORACOM Air for セルラー グローバルカバレッジ」として発売する。先述の5カ国のAmazonのWebサイトで購入できる。ソラコムは今後、流通ルートを整備し、ほかの国での販売も始めていくとしている。
図 ヨーロッパで発売する「SORACOM Air for セルラー グローバルカバレッジ」のSIMカード。標準サイズ、microサイズ、nanoサイズに1枚で対応する
出所 ソラコム
SIMカードの価格は1枚当たり5米ドル。基本料金はデータ通信開始前は1年間無料。データ通信開始後は1日当たり6米セント。データ通信料金は1カ月の通信量が100Gバイトまでは、1Mバイト当たり8米セントで、100Gバイト~250Gバイトになると1Mバイト当たり7米セントになる。250Gバイトを超えると1Gバイト当たり6米セントだ。基本料金も501枚以上の大量購入になれば、ボリュームディスカウントに応じる。この基本料金と、通信料金はイギリス、ドイツ、スペイン、フランス、イタリア、アメリカの6カ国で使用した場合の料金となる。
ソラコムは世界120カ国以上の通信事業者と提携して、全世界的にサービスを展開しており、2016年11月からはアメリカで「SORACOM Air for セルラー」のSIMカードを発売している。今回はヨーロッパ5カ国でのサービス開始に合わせて、SIMカードの販売も開始した。「SORACOM Air for セルラー グローバルカバレッジ」のSIMカードがあれば、全世界120以上の国と地域で通信サービスを利用できる。
図 「SORACOM Air for セルラー」のサービス提供地域。利用料金がそれぞれ異なる6つの「ゾーン」がある
出所 ソラコム
ヨーロッパ5カ国でのサービス提供に合わせて、ソラコムのパートナープログラム「SORACOMパートナースペース」をヨーロッパで開始する。SORACOMパートナースペースは、ソラコムのサービスを利用したビジネス展開を狙う企業のために、技術資料やマーケティング支援などのサービスを提供するプログラム。
SORACOMパートナースペースには、参加を希望する企業の業種によって4種類の制度がある。1つ目はソラコムのサービスで利用できるIoT機器を開発販売する業者が集まる「デバイスパートナー」。2つ目はソラコムのサービスを利用してシステムの構築やコンサルティングサービスを提供する業者が集まる「インテグレーションパートナー」。3つ目はソラコムのサービスを利用したソフトウェアやクラウドサービスなどを開発する業者が集まる「ソリューションパートナー」。4つ目はソラコムの専用線接続サービス「SORACOM Direct」と接続するネットワークサービス事業者が集まる「ネットワークパートナー」。
SORACOMパートナースペースでは、参加企業向けに「認定デバイス」制度や「リセラープログラム」制度を用意している。認定デバイスは、センサー機器やゲートウェイなどの通信機器がソラコムのサービスで問題なく利用できることを認定する制度。リセラープログラムはソラコムの各種サービスの再販を認める制度だ。
ソラコムはヨーロッパでもSORACOMパートナースペースを展開し、パートナー企業を増やしていくことで、ソラコムのサービスを利用して短期間でIoTシステムを構築できる態勢を作ることを目指す。この態勢で、ヨーロッパでIoTシステムの構築を企画している企業や団体を支援することを狙っている。
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ソラコム