[特別レポート]

加速する5G実証試験/勢揃いするLPWA

― KDDIが日本初の3GPP標準「LTE-M」のサービスを開始へ ―
2018/01/01
(月)
三橋 昭和 インプレスSmartGridニューズレター編集部

5Gの総合実証試験と政府の予算

 また総務省は、2020年の5Gの実現を目指し、さらに加速させるため、2017年度から5Gの総合的な実証試験を開始すると発表した(平成2017年5月)。すでに、表3に示す具体的な5Gの総合実証試験が推進されている。また、5Gに関して2018年度は、

  1. 総合実証試験に向けて32億5,000万円(2017年度は25億1,000万円)
  2. 5G実現に向けた研究開発などに33億8,000万円(2017年度は26憶円)

と、前年度から大幅に増額された予算が計上されている(http://www.soumu.go.jp/main_content/000510587.pdf)。

表3 総務省が開始した5Gの総合的な実証試験の概要

表3 総務省が開始した5Gの総合的な実証試験の概要

出所 http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban14_02000297.html
http://www.soumu.go.jp/main_content/000485322.pdf

 なお、表4に3GPPの最新動向と日本の各通信事業者の直近の実証実験例を示す。

表4 3GPPの最新動向と日本の各通信事業者の直近の実証実験例(発表順に掲載)

表4 3GPPの最新動向と日本の各通信事業者の直近の実証実験例(発表順に掲載)

※1 5G NR:5G New Radio、5Gの新無線方式。5Gの要求条件を満たすために、3GPPで新たに規定される無線方式。
出所 各種資料をもとに編集部作成

5G/LPWA環境における基幹業務IoTと大量接続IoT

 次に、LPWAの最新動向を見てみよう。

 図3は、5Gが実現する基幹業務IoTとLPWAが実現する大量接続IoTの関係をイメージした図である。前出の図2に示した、限りなく高速(eMBB)に、限りなく低遅延(URLLC)で、限りなく大量のデバイスを接続(mMTC)する、という5Gの3大要求条件のうち、LPWA(LTE-M、NB-IoT)は大量のIoTデバイス接続(mMTC)を実現する領域を担う重要な技術であり、今後、さらなる省電力化などを含めて検討され、バージョン2の仕様策定が予定されている。

図3 5G/LPWA環境における基幹業務IoTと大量接続IoTのイメージ

図3 5G/LPWA環境における基幹業務IoTと大量接続IoTのイメージ

出所 各種資料をもとに編集部作成

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