5Gの総合実証試験と政府の予算
また総務省は、2020年の5Gの実現を目指し、さらに加速させるため、2017年度から5Gの総合的な実証試験を開始すると発表した(平成2017年5月)。すでに、表3に示す具体的な5Gの総合実証試験が推進されている。また、5Gに関して2018年度は、
- 総合実証試験に向けて32億5,000万円(2017年度は25億1,000万円)
- 5G実現に向けた研究開発などに33億8,000万円(2017年度は26憶円)
と、前年度から大幅に増額された予算が計上されている(http://www.soumu.go.jp/main_content/000510587.pdf)。
表3 総務省が開始した5Gの総合的な実証試験の概要
出所 http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban14_02000297.html
http://www.soumu.go.jp/main_content/000485322.pdf
なお、表4に3GPPの最新動向と日本の各通信事業者の直近の実証実験例を示す。
表4 3GPPの最新動向と日本の各通信事業者の直近の実証実験例(発表順に掲載)
※1 5G NR:5G New Radio、5Gの新無線方式。5Gの要求条件を満たすために、3GPPで新たに規定される無線方式。
出所 各種資料をもとに編集部作成
5G/LPWA環境における基幹業務IoTと大量接続IoT
次に、LPWAの最新動向を見てみよう。
図3は、5Gが実現する基幹業務IoTとLPWAが実現する大量接続IoTの関係をイメージした図である。前出の図2に示した、限りなく高速(eMBB)に、限りなく低遅延(URLLC)で、限りなく大量のデバイスを接続(mMTC)する、という5Gの3大要求条件のうち、LPWA(LTE-M、NB-IoT)は大量のIoTデバイス接続(mMTC)を実現する領域を担う重要な技術であり、今後、さらなる省電力化などを含めて検討され、バージョン2の仕様策定が予定されている。
図3 5G/LPWA環境における基幹業務IoTと大量接続IoTのイメージ
出所 各種資料をもとに編集部作成