2020年に向けた今後の課題と展開
〔1〕VPPは実証事業からビジネス化へ
ここまで、VPP構築実証事業の進展状況を見てきたが、現在、実証事業からビジネス化へ向けた取り組みへと比重が移りつつある。
VPPのリソースの1つであるデマンドレスポンス(DR)は、調整力公募において、まだ規模は小さいものの具体的な調達も行われ、実績も出てきた。また、IoT技術の進展によって、DRの応動時間の短縮化の可能性も見えてきた。
〔2〕電力システム改革に向けて期待が高まる
しかし、現実により早い応動(15分以内、5分以内など)でできる調整力として調達されるには、エネルギーリソースが、応動時間内に確実に調整力を提供できることの検証が必要である。また、VPPにおけるサイバーセキュリティ対策の確立という課題もある。
2020年度までの実証事業の期間内に、どこまで迫ることができるか。2020年の発送電分離という電力システム改革の流れの中で、再エネの主力電源化やVPPへの期待が高まっている。
最後に、表10に本稿に登場する用語および関連キーワードをまとめて紹介する。
表10 VPPに関する関連用語の解説
出所 下記URLなどの資料をもとに編集部で作成。
http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/advanced_systems/vpp_dr/term.html