[クローズアップ]

5Gを見据えた楽天クラウドイノベーションラボを公開!

― 世界初! クラウドネイティブネットワークの大規模な試験基盤を構築 ―
2019/03/08
(金)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

ラボの具体的な設備

 次に、今回公開された「楽天クラウドイノベーションラボ」の各設備を写真2〜写真5に紹介する。

クラウドネイティブネットワークのアーキテクチャ

 最後に、今回設立された、楽天クラウドイノベーションラボにおける、完全仮想化クラウドネイティブネットワークのアーキテクチャを図2に示す。

 前述したように、クラウドネイティブネットワークとは、構築するネットワークを、ソフトウェアを使用してクラウド上で稼働させ(クラウドネイティブ)、革新的でスケーラビリティ(拡張性)の高いネットワークを構築することである。これによってコスト効率も向上できる。

 楽天モバイルは、このネットワークによって、デジタルコンテンツなどのサービスをはじめ、「楽天エコシステム」と1億アカウントを超える楽天IDを活用して、携帯キャリア事業を推進していく。

 図2に示す❶〜❾の機能については、表2に詳しく解説しているので参照していただきたい。

表2 図2のアーキテクチャの説明

表2 図2のアーキテクチャの説明

出所 https://corp.rakuten.co.jp/news/press/2019/0212_06.html


▼ 注1
テックマヒンドラ(Tech Mahindra):本社はインドのムンバイ。年間売上高49億米ドル(約5,000億円)。90カ国から集まった従業員11万人以上を擁し、情報、通信、テクノロジー分野におけるデジタルソリューションサービスを提供する企業。同社は約100カ国に20万人以上の従業員を擁するマヒンドラグループの一員であり、同グループは、自動車や情報テクノロジーなど18の産業分野で事業を展開しているグローバルな企業グループである。

▼ 注2
内覧会登壇者(順不同、敬称略)
・楽天モバイルネットワーク 代表取締役社長:山田 善久
・シスコシステムズ合同会社 副社長:中川 いち郎
・楽天 代表取締役会長兼社長:三木谷 浩史
・テックマヒンドラCEO:Manish Vyas (マニッシュ・ヴィアス)
・楽天モバイルネットワーク CTO:Tareq Amin(タレック・アミン)

▼ 注3
まずは東名阪エリアから開始し順次全国展開する。楽天のLTE商用サービス向け周波数帯は、総務省から1.7GHz帯〔20MHz幅×2の周波数(FDD方式)〕が割り当てられている。

▼ 注4
クラウドネイティブネットワーク:クラウド上で設計されたネットワークシステム。従来のように専用の高価なサーバではなく、汎用的な廉価なサーバを使用したクラウド上の仮想化された環境で構築される柔軟なネットワーク。

▼ 注5
DevOps(デブオプス):DevelopmentとOperationsの混成語。開発((Development))環境と運用((Operations))環境を同じ考え方で構築することによって、新しい機能やサービスのスムーズな導入を支援するコンセプト。

▼ 注6
NSA(ノンスタンドアロン)とSA(スタンドアロン):3GPPリリース15で仕様化された端末と基地局間の新無線通信方式「NR(New Radio)」は、①4Gコアネットワーク(LTEコア)と5G NR基地局を連携させるNSA(ノンスダンドアロン仕様)と、②5Gコアネットワークと直接連携させるSA(スタンドアロン仕様)が策定されている。当初の5Gサービスは、LTEコア(eEPC)と5G NR(ノンスタンドアロン)が連携した商用サービスとなっている。

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