オラクルの「Gen 2 Cloud」のプロフィール
「2025年の崖」問題を背景に、オラクル注1は、2020年2月3日、Oracle Cloud(パブリッククラウド)の稼働基盤であり、セキュリティを重視した次世代クラウド・データセンター「Gen 2 Cloud」(Oracle Generation 2 Cloud)注2を、2019年5月に開設した東京リージョンに続く第2の拠点として大阪リージョンを開設し、運用を開始した。
オラクルの次世代クラウドの稼働基盤である「Gen 2 Cloud」(表1)は、次のような特徴を備えている。
- 企業のために再構築したクラウドであり、技術的には大幅に性能を向上させ注3、また、価格的には大幅にコストダウンを実現注4
- セキュリティ第一を基本として設計(Security by Design)されたクラウド
- データドリブン(後出の表2参照)による最新のDXプラットフォームのアーキテクチャを採用
表1 オラクルの次世代クラウド・データセンター「Gen 2 Cloud」のプロフィール
Gen 2 Cloud(Oracle Generation 2 Cloud)とは、(1)Oracle Cloud(パブリッククラウド)の稼働基盤であり、(2)セキュリティを重視した次世代クラウド・データセンターである。
※1 リージョン(Region):データセンターが存在する独立した地域のことを「リージョン」呼ぶ。デュアルリージョン(Dual Regions)とは2つの地域のこと。
※2 FedRAMP:Federal Risk and Authorization Management Program、2011年12月に、米国連邦政府によって発表されたリスクおよび認証管理プログラム。クラウド製品やクラウド サービスを対象としており、セキュリティ評価、認証、継続的モニタリングの標準規格を規定する米国連邦政府のプログラム。
出所 オラクルの各資料をもとに編集部で作成
オラクルは、今後、「Gen 2 Cloud」でユーザーが目指すデータドリブンによるDXの構築を支援していく。なお、参考までに図3に、オラクルクラウドの基本構成を示す。
図3 オラクルクラウド:既存システムとクラウドの双方でユーザーの投資保護とビジネス価値の向上を支援
※デスクトップ環境:パソコン等によるデスクトップ環境をクラウドのサーバ上に構築・運用し、(出力)画面を利用者の端末に転送する。利用者は端末のディスプレイやキーボード、マウス等(シンクライアント端末)を用いて入力や操作を行うことができる。
出所 野田由佳(日本オラクル)「真のアジャイル経営に向けたデジタルトランスフォーメーション」、2020年2月4日
▼ 注1
1977年設立(日本オラクルは1985年設立)、本社は米国カリフォルニア州。会長兼CTO:ラリー・エリソン(ローレンス J. エリソン:Lawrence J. Ellison)。年間売上:約4兆円($40B)、従業員:13.7万人(うち開発者は3.8万人)、研究開発投資額:6,000憶円。(2019年現在)
▼ 注2
Gen 2 Cloud:Oracle Generation 2 Cloud、セキュリティを第一に、データドリブンやAI/機械学習を駆使して、大幅に性能や効率を向上させたオラクルの次世代クラウド。
▼ 注3
例えば、計算機能を45%向上させ、ブロックストレージ※を525%向上させた。
※ブロックストレージ:記録領域をボリュームという単位に分割し、ボリュームの内部をさらに固定長のブロックという単位に分割して管理するストレージのこと。具体的には、パソコンやサーバに搭載されているハードディスクや、USBメモリなどで使用されている。
▼ 注4
例えば、ブロックストレージは97%、ネットワークは90%コストダウンさせた。