DX・GX時代注1の到来を背景に、モバイルおよびネットワーク・ソフト技術を中心に先進的なITソリューションを提供するACCESSは、エネルギーマネージメント(エネマネ)サービスに必要なソリューション「POWERGs(パワージーズ)注2脱炭素デジタルパック」を提供している(写真1)。
家庭や企業・自治体で、「脱炭素を推進する」ために、どのようにデジタル化を実現すればよいか。POWERGs GW(ルータ)とのEMS(Energy Management System)を併せた事業開発担当者である、株式会社セカンドフェイズの奥瀬 俊哉(おくせ としや)氏の取材をもとに事例を交えてレポートする。
写真1 脱炭素×デジタル「POWERGs GW(ゲートウェイ)」
出所 編集部撮影。「第3回 脱炭素経営EXPO秋」(2023年9月13日~15日、千葉県・幕張メッセ。来場者数38,277名)での出展の様子。主催はRX Japan(旧社名:リードエグジビションジャパン)
POWERGs脱炭素デジタルパックとは
ACCESSが2023年10月から提供している「POWERGs脱炭素デジタルパック」は、ACCESSの電力データ収集プラットフォーム「POWERGs」に加えて、蓄電池の最適制御をはじめ、VPP(仮想発電所)、EVやドローンの充放電器、スマート分電盤、電力計測装置注3などの機器から、システムの統合の方法やバックオフィス注4の運用まで、エネマネサービスに必要なソリューションをパッケージ化した、ワンストップソリューションである。
このPOWERGsは、すでに経済産業省が推進する各種の実証事業などにおいて導入され、次のように実証されてきた。
- 令和4(2022)年度のDER注5実証事業で、70台をリソースアグリゲーターに導入
- カーボンニュートラル向け電力計測プラットフォーム向けに20台導入
- EV充放電装置を含めた地産地消電力補助金事業へ6台導入
このため、家庭や企業に設置されている各種のDER機器の相互運用性は、すでに確認済みとなっており、エネマネ事業者(RA/AC事業者)はPOWERGsの導入後、スムーズに運用開始することができる。
注1:DX:Digital Transformation、デジタル技術によって社会(生活やビジネス等)を変革すること。GX:Green Transformation、デジタルトランスフォーメーション。脱炭素化(グリーン)技術によって社会(生活やビジネス等)を変革すること。
注2:POWERGs:「POWER(電力)」+「SDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)」の造語で、「電力データ収集のプラットフォーム」を意味する。
注3:電力計測装置:系統電力やブレーカーごとの電力線にCTクランプ(Current Transformerクランプ)を付けて電力測定を行う装置。CTクランプとは、電力線等を切断することなく、クランプ(センサー)を、測定しようとする電力線に「はさむ」(クランプする)だけで電流の測定ができる装置。
注4:バックオフィス:事務部門。メイン業務(フロントオフィス)の後方支援部門。
注5:DER:Distributed Energy Resources、分散型エネルギー電源。家庭や企業に設置された太陽光発電システムや風力発電の他、蓄電池、電気自動車、家庭用燃料電池(エネファーム)などの分散電源のこと。